p-hone p-hone.info

2023年のイラスト活動を振り返る

同じお絵描き練習会仲間の2023年イラストまとめという記事に触発されて私もイラスト活動を振り返りたくなった。

毎月投稿……はできなかったが、何はともあれ今年もイラスト活動を継続できて、偉い!! 今から3年ほど前に定期的に練習会をしている話を書いたが、その活動は今でも続いている。 おかげで今年もペンを握らない週はなかった。思い返せばやる気が無の日もあったし、線形的に技術が向上したわけでもない。 しかし、やめずに続けている。とにかくこの事実が嬉しい。

なにかの目的のために続けているわけではない。趣味だから。 その時々、(あっこのキャラかわいい〜描くぞ!)を繰り返しているにすぎない。 もっと上達したいとか、SNSのいいねが欲しい、だとか…なくはないが副次的なものだ(詳しくはなぜ絵を描くんですか?に書いた)。

そんなゆるい意識でも、続けていると色々といいことがある。趣味として自己完結するはずのイラストが自分以外の誰かに求められる機会がやってくるのである。今年に依頼を受けて描いた(または自ら持ち込んで寄稿した)イラストを振り返る。


Key×Coffeeイラスト本


アニメ『ファンタジスタドール』10周年記念本


『萌事記』(合作)


アニソンクラブイベント『あにげん!』特典ポストカード


バーチャルYouTuber Kaela Kovalskia: フラワースタンドイラスト(合作)


pixivリクエストよりエッチなイーファちゃん


『ヤンデレの女の子に死ぬほど誕生日を祝われて眠れないCD』(合作)

誰かに必要とされるというのは純粋に嬉しい。 が、その分重圧もある。自己完結の絵であれば納得行かない出来でも「次の絵で頑張るわ…」で済ませられるが、依頼されたイラストだとそうもいかない。だからこそ、どうすれば良い絵になるのか悩み、短期集中的に技術を習得できるのでメンタルが保全できる程々に依頼を受けていくのもいいなと感じられた一年だった。

絵の技術について

さすがに3年以上も繰り返しやっていると発想さえ降りてくれば、最初のラフまでは素早く描けるようになってきた。 (そもそもこのポーズだと身体の描き方がわからない、おかしい……やり直し!)のように悩む時間が格段に減った。 髪やキャラクターの顔の繊細な線でも手戻りが少なく、早めに納得の行く線を引けるようになった。 こればかりはある日突然できるようにはならず、スポーツのように何度も何度も線を引いて身体を慣らして獲得するものだと思っている。

そんな体育的発想を語ったが、知識もやはり重要だ。 上手く手を抜く方法……たとえば、視線誘導的にここはあまり描き込まなくても目立たない、といった知識だ。 そして、絵全体をよりマクロに、俯瞰して見られるようになってくる。 ふと昔のイラスト練習記録を見返してみると、何時間も、いや、何日も細かなパーツをずらしたりしては「なんかまだ違和感がある…」などと悩んでいる様子がみられた。


昔に描いたイラスト練習メモ。制御点ツールで頑張って線を動かしていたことがわかる。

こういったミクロな視点で努力をするより、構図や全体のバランス、色の対比、視線誘導、……といったマクロの観点を持つようになってからは速度も完成度も激変した。 そしてラフ段階の手戻りが減って速度が上がると体力的にも精神的にも余裕が生まれ、今までは目を向けなかった部分を意識できるようになる。たとえば指先の爪、衣装の布の質感、アクセサリー、背景などたくさんある。

こうして文章化してみると、絵の技術の上達にはひたすら量を描くという泥臭い練習も、効率的に上手くやるための知識もどちらも必要らしい。


同じテーマの絵をリメイクすると自身の技術的な成長がわかって面白い。私はクリスマスの時期に同じ女の子を描いて過去の絵と比べる活動をここ数年やっている。

今後は・・・

以上、2023年までのお絵描き活動を振り返ったが、今後はどうするか? 継続して手を動かすのはやっていくとして、知識のほうはどうか? 今や教本や動画で無際限に知識が手に入るので、知らない事は次々と出てくる。 重要なのはそれをどう選んでいくか。

数年絵の練習をしてみるとわかるが、頭を使わずに楽に実行できる小手先のテクニックみたいな知識ばかり優先的に覚えてしまう。 最初はそれだけでも効果が大きいので楽しいのだが、だんだんと、頭を使わないと理解できない難しい知識、または答えのない課題が残る。 具体的には美術解剖学、光と影の物理法則、そして人間の感性、美学、個性の出し方、SNSでの立ち回り方などだ。

残ったならそれをやればいいじゃんという話でもあるが、 こういう重いお題になるほどやる気も出にくい。「なぜ趣味なのにこんなに頑張らないといけないの?」と途中で投げ出してしまいがちだ。それでもまぁ昨日よりは1ミリでも前進できれば……という気持ちでゆっくりでいいので継続したい。

また、今目指している方向での上を目指す必要はない。斜め、いや横にそれてもいい。 イラストって本当に多様で、アニメ風萌えキャラクターの一枚絵がすべてではないから、背景の描き方を学んでみるとか、漫画を描いてみるとか、イラスト趣味のベクトルは様々な方向に伸ばせて何年続けても飽きが来ない!

最後に、普段の私なら「えぇ〜〜…面倒だしいいかな…」となりそうな「お絵かきドリル」に挑戦した記録が入った本『ゼロから始めるお絵描きの書X(エックス)』を冬のコミケで頒布するので告知を載せておく。 趣味でお絵描きをやってみたい(orやっている)方はぜひチェックしてね。

📕【告知】 冬コミ #C103 2日目(12/31) 東6 ノ-37a 新刊『ゼロから始めるお絵描きの書X(エックス)』を頒布します!

メンバーがお絵描きドリルを使った練習に挑戦! その結果は・・・!?

※物理本は白黒印刷で、中にフルカラー電子版のDLリンク付きとなります※ https://twitter.com/moemoecompany/status/1737427632055324693