大学生活の思い出〜入学式とサークル新歓〜

2012年…大学受験も終わり、ついに大学に入学することになった。 大学生活というとどんなものを想像するだろうか?勉学に励み、サークル活動を楽しみ、恋人ができて、就活をする…的なものが一般的かもしれないが、大学入学前の自分はそれどころではなかった。

「ぼっち」への恐怖

入学の直前には大学生活に対する恐怖しかなかった。 それは「ぼっち1」になることへの恐怖だった。 そんなことで???と馬鹿らしく感じるかもしれないが、とにかく当時の自分にとっては死活問題だった。

なぜそんなにぼっちが怖かったのか?インターネットから悪い影響を受けたからだ。

中学生の時から2ch系まとめブログを見るのが大好きで暇さえあればいつも読んでいたのだが、大学入学が近づいてくるとどうしても大学が話題になった記事が目に留まる。そこには 「大学でぼっちだと詰む」 だとか、 「一人で学食食べてるやつ哀れw」 といったネタが書かれていて、当時の自分はそれを真に受けて入学前から完全に恐怖に染まってしまった。

高校時代までも、家に帰ったらネットゲームをしつつ、ニコニコ動画や2chを見て、深夜はアニメキャラのエロ画像を必死に探すという典型的根暗(現代風に言うなら、陰キャオタク?)な感じだったので(あぁ、このまま…「ぼっち」になるのかなぁ…)と不安しかなかった。

不安を紛らわせるために入学式の直前期間、エイプリルフールが近いということで当時流行っていたアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の公式サイトをパクって改造した『魔法少女さやか☆マギカ』という偽公式みたいなWebサイトを作ったり、4/1の0時になったらエイプリルフール仕様になったアニメやネットゲームのサイトを巡っては高校の友達とSkype通話で盛り上がっていた。この年はさくらインターネットのサイトがクオリティが高くて面白かった。

入学式

大学の入学式というとスーツを着ていくのが一般的らしい。 それを親に相談したのだが、親は「えースーツとかつまんなくない?ちょっと違い出していこうよ!」(?)的なことを提案してきたので、(…そういうものなのか?)と真に受けてスーツではない服装で入学式に参戦した結果、スーツ着てないの僕だけじゃん!!ってなって当日めっちゃ親を恨んだ。

…という話は置いといて、恐怖と不安しかないような中で入学式は過ぎ去っていった。 入学式の待機中、隣の人が話しかけてきた「ねぇ〜何学部?どこ出身?」みたいなお決まりっぽい会話だった。結局その人とはそれ以降会わなかったけど不安だらけの当時の自分にはそのテンプレートのような会話でもありがたかった。

式が終わった後は学部ごとに分かれて、履修の説明などを受けた。 この時点ですでに仲良さそうなグループができてたりしてて、精神的にしんどくなってきつつあった。 学部の履修内容を聞いている時が癒やしに感じたぐらいだった、なぜなら憧れの情報工学科で授業内容にはもともと興味があったからである!説明を聞きながら(はぁ…一生プログラミングのことだけ考えていたい…)となっていた。

結局その日は誰とも仲良くなれず終了した。そりゃそう、何も自分から行動していないから。 翌日からはサークルの勧誘活動が始まるらしい。入学式はダメだったら、もうここでなんとかするしかない。そう覚悟を決めていた…。

新歓ブース、はじまる

4月2日から数日間は新歓ブース期間と呼ばれる期間で、キャンパスのあちこちにサークルのブースが設置されてそこでサークルの上回生に話を聞いたりできるようになっていた。

新入生には紫色のデカいかばんが配布され、その中にはサークル一覧が書かれた冊子も入っていた。 いろとりどりなサークルがあったが、その中でやはり目に留まったのは 電気情報研究会 であった。 パソコンを使ってゲームを作ったりしているサークルでもともとプログラミングが好きだった自分にはぴったりだと思った。ただ、なんかそれだけではいけないような気もした。

家で親にサークルってどういうのが良いのかなぁという相談をしたら「 英研 とかいいんじゃない? おまえ受験でも英語得意やったろ(^^)」と提案されて(でもなぁ、受験だから必死にやってたけど大学入ってからまた英語勉強するとか…しかもリスニング・スピーキングは全然経験ないし、馴染める気もしない…)と気乗りしなかった。でもとにかく不安だった当時は何でも深く受け止めてしまう状態になっていたので、英研のブースにも寄ることにした。

英研のブースに行くと上回生がにこやかに対応してくれた。 「おぉ〜!理工学部なのに英語やりたいなんて偉いねぇ〜!」みたいなことを言われて(あれ、もしかして理系の人少ないのか…?)となり、活動内容を聞いてみると 英語で討論会!交流会! みたいなイベントが次々と出てきて、(ごめんお母さん…………やっぱ………無理……)となった。

アニメ系サークルのブースへ

新歓ブースのエリアをとぼとぼ歩いているときに、すごいものが目に入った。 アニメ『ストライクウィッチーズ』のポスターが飾られたブースがあったのだ。このアニメを見た経験はなかったがエロ画像まとめサイトで作品名とキャラ名は把握済みだった!うおお、大学のキャンパスでこんなの飾っていいの…?と2chのノリの片鱗を見られた気がしてちょっとうれしくなった。やっぱり高校時代まで2chやニコニコ動画といったいわゆる「オタク」文化で育ってきたし素直にこういうサークルに入るのが良いのではないか?と考えはじめた。

では、そのブースに直行…はできなかった。当時はアニメ系でも特に「萌え系」みたいな趣味は隠さないとマズいと考えていたし親にもできるだけ隠していた。そんな状況で大学で堂々とこんなサークルに入るとかできるか…?とまた余計な考えを巡らせてしまいしばらく周辺を行ったり来たりしていた。

しかし、「ぼっちになることの恐怖」の方が大きかった。最終的にストライクウィッチーズのポスターが飾られたアニメ系サークルのブースに勇気を出して向かった!先輩方は優しく最初の対応をしてくれて、「じゃあ、このアンケート書いてもらっていい?」と紙と鉛筆を差し出してくれた。中身を見ると 「好きなアニメは?」「好きな声優は?」 といった感じだった。

「好きなアニメは?」いきなり超難問だ。何だっただろう、2012年4月当時は『serial experiments lain』『アスラクライン』『うたわれるもの』『東のエデン』『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』『フラクタル』とかだった気がする。このラインナップ、なんとも言えない感じである。まずひとつに絞るのが難しいし、何よりもこのアンケート、書いているところをブースに居る上回生が見ているのだ。「えーと…それどういうアニメ…?知らないんだけど…」とか言われたらめちゃくちゃ恥ずかしいし、だからといって『けいおん!』とかの超有名作品を上げて「日常系が好きなんだ!いいね〜」とか誤解されても困る2…と短期間で思考を巡らせた結果、高校時代に見た鉄板アニメであるところの『コードギアス 反逆のルルーシュ』を書いた。上回生からの反応は「お〜いいね!」程度で特に何か突っ込まれることはなかった。

「好きな声優は?」やはり難問だ。なぜなら、そもそも当時は声優を好きになったことなんてなかったから。 もちろんこのアンケートはすべて埋めないとダメなんてことはなかったのだが、「え、うちのサークルでは推しの声優ぐらいさっと挙げられないとやっていけないよ?」みたいな圧を感じた。2chまとめサイトやニコニコ動画で有名だった花澤香菜さんとかは知ってはいたけど好きかって言われると…3のような感じだったし、深く聞かれても何も答えられないので素直にここは空欄で出した気がする。

ちょうどこの日はブースの時間終了後に集合して新歓お花見に行くところらしかった。 でもお花見とかって一人で行くの恥ずかしいよな…と思いつつ上回生に「あのぉ〜…お花見って一人で参加しても大丈夫なんですか…?」って聞いてみたら「全然OK!!!!僕も1回生のときひとりで参加したよ〜!!!!!!」とハイテンションに答えてくれてちょっとホッとして一人で集合場所に向かったのであった。

はじめての新歓お花見(アニメサークル)

お花見の集合場所に向かうと札を掲げた人が立っていて「ここだよー」って教えてくれた。 そこで並んでいると、自分と同じく一人で来たっぽい人が横に来てなんと話しかけてくれたのだった!

自分が「どういうアニメ好きなんですか?」と聞くと「ストライクウィッチーズとか…」と返されて(すごい、ここにもストライクウィッチーズのファンが、大人気コンテンツじゃん!)と思った。 それ以外の話の内容はあまり覚えてないが、とにかく入学してからはじめてまともに会話が続いた相手だったのでその事実にひたすら感動していた。

お花見は円山公園という場所で行われることになり、山奥のキャンパスから電車に乗って京都の町に出ていった。電車の中で同じくアニメサークルの人たちが「国歌といえば君が代じゃなくて鳥の詩だよねw」みたいに話しているのを聞いて(いいねぇ、ニコニコ動画のノリだ!こういう話がリアルでできるような世界なんだなぁ)とひとり感心していた。

お花見の会場についてからはシートの上で色々食べつつ、好きなアニメは〜などの談義で盛り上がった。 細かく覚えてないが『化物語』や『魔法少女リリカルなのは』『Fate/Zero』などの話をしていた気がする。 ときどき酔っ払った上回生が1回生のシートに突撃してきて「田村ゆかりさん♡萌え〜!」みたいに騒ぎはじめて(うわぁ、こんなオタク実在するんだ!すごい!)と感動していた。

▲本当にこんな感じだった

そこで話してると同じ学部の人に出会った。 最初の「ぼっち」の話に戻るのだが、2chまとめサイトによると「同じ学部に友達がいないとノートや過去問の共有などができずに詰む」とのことだった。よって同じ学部の知り合いがいるかどうかというのは重要らしい。というわけで同じ学部の人とは多めに話した。学部が同じなのでプログラミングにも少し興味ありそうで話してて楽しかった。

しかし、その人の好きなアニメを聞いてみると『ひだまりスケッチ』だったので内心では(ひだまりスケッチ…?有名な日常系アニメだっけ…、わからん…)となっていた。また新谷良子さんという声優さんが好きらしくて上回生とその話で盛り上がっていた。それを見て(やはり声優に詳しくないとこのサークルではやっていけないのかもしれないな…)と不安を感じていたりもした。

お花見が終わった後はカラオケに行く流れとなった。 カラオケ自体は高校生のときから時々行ってたので経験はあったし、高校時代も大抵アニソンか東方アレンジを歌っていたのでアニメ系の曲が歌えるのは良いね!!と思ってうきうきと参加した。

FLASH黄金時代に何度も聴いた『檄!帝国華撃団』や2011年にヒットした『oath sign』などでカラオケは盛り上がっていた。しかし、この後異変が起きる。上回生がぞろぞろと1回生の部屋に突撃してきた。

そしてアニメ『ロウきゅーぶ!』のオープニング曲が流れ始める。 気がつくと上回生の何人かは赤いバスケのユニフォームを着て光る棒を持っていた。 曲が始まると上回生は\ハイ!ハイ!Foo!Foo!/と光る棒を上下させて叫んでいる。 …そして中央では女性の上回生が歌唱していた。

▲ 当時のイメージ(バスケのユニフォーム以外の容姿は全然覚えてないので創作)

あまりにも突然で異様な光景に1回生は壁に張り付いて「な…なんだこれは…」と上回生を眺めていた。素でドン引きしていたわけではなく、(こんなことやっちゃっていいんだ、このサークル…)という感じだった。おそらく上回生の意図も「このサークルではこんなにはしゃいでもいいんだぜ!」というものだったんじゃないかと思われる。

帰り道は行きの電車でお喋りしたS君(仮名)と「いや〜すごかったね」的な感想を言い合っていた。 そこで印象的だったのがS君も「正直、声優は詳しくないのでアンケートも書けなかった、僕のようなにわかオタクには分不相応かもしれない」と言ってたことだった。よかった、自分以外にもそう感じた人がいたんだなと安心した。

しかし、じゃあ身の丈に合わないしこのサークルはやめておこう………とはならなかった。 新歓のお花見で知り合いもできたし、帰り道に「じゃあまたサークルの部室で会おう!」と言い合い うお〜ついにぼっちじゃない状態でお昼ごはんとか食べられるのかなぁって期待をしていた。

第2のオタサー

実は大学にはもうひとつオタサー(オタク系サークル)があるということを知った。昨日のアニメ系サークルの新歓が刺激的だったこともあり、ひとつ行ってしまえば謎の自信もついたので第2のオタサーの新歓も行ってみることにした。

最初に行ったアニメ系サークルはいわゆる”大手”のサークルで、人数が多く会費を払う必要がある分大規模なイベントなども企画されていた。一方、第2のオタサーは少人数でひっそりとしているが、会費は不要でよりライトな印象もあった。

第2の新歓イベントもお花見だった。しかし、当日は天気が悪く会場についた頃には雨が降り始めてしまった。 雨のせいもあって、暗い雰囲気のまま淡々とお花見が進んでちょっと怖かった。天気のせいで空も暗く、これがアニメだったら確実によくないことが起きているときの演出だ。雨に打たれながら誰とも話さずひたすらじっとしている新入生とかもいて、この空間は…何?という気持ちだった。 さらに、去年にこのサークルではお酒絡みの事件を起こしたらしく、先輩は苦笑いしながら「〜ってことがあったのでお酒はちょっとね…w」と言っていた。 その時点で(このサークルはちょっと怖い、やめておこうかな…)と思い始める。

帰り道にはそのサークルの新歓ではじめて会った新入生と帰っていたのだが、ここで一緒になった新入生が めちゃくちゃオタクっぽかった のだ。 まず見た目からしてオタクぽいというのももちろんあったが、聞いてもいないゲームのやりこみプレイ?の話を早口で語り始めた。 その内容もすさまじくて、相当のやりこみ度合だった。

これは貶しているわけではなくて、自分の中での「本物のオタク」のイメージと合致したということだ。 昨日の大手サークルで話した人はどこかまだ一般的というか、通常の大学生の話し方ベースで、内容がすこしアニメや声優寄りという印象だったが、 このとき一緒に帰った真のオタクたちはそうではなかった。ひとつの物事に極端にこだわって早口で語る様はまさにオタクだ…と感心した。

しかし、このとき感じてしまった。 自分がこの人たちと並んで会話することは無理 だと。ひとつはゲームをそこまでやり込むほど深い沼に足を突っ込む覚悟もないし、モチベーションが維持できないと思ったこと。もう一つは 「こんなガチのオタクには堕ちたくない」 という見下しのような気持ちだった。なんと失礼な。 高校時代までオタク寄りだったからオタサーに居場所を求めたくせに、本当のオタクっぽいコミュニティに入るのは嫌がるというどうしようもない軟弱者だった。大学の創立者も天でお怒りになっていただろう4

前日に"大手"サークルのお花見とカラオケがあったことも影響していただろう。陽気のあるオタクたちの姿にあてられてしまい、 自分も楽しそうな大学生活の仲間入りをしたい!と思っていた。よって相対的に今回の暗い(物理)お花見や、真のオタクとの会話は避けようとしていたのだろう。第2のオタサーにそれ以降関わることはなかった。

アニメサークルとの別れ

アニメサークルの新歓で会った3人とメールで連絡をとりあって、「明日部室が開放されてるみたいだけど行ってみない?」的なやりとりをした。 そしたら、うち2人は体調不良だったり別件があったりして来れず、自分ともうひとりの2人で部室に行ってみることにした。

はじめて部室に入った。新歓直後だったのもあってけっこう人が多かった。まず目に入ったのは机に大量に並べられたカード。 たしかヴァイス・シュヴァルツというやつだったと思う。カードゲームで部員が熱い対戦をしていた。そして、 「声優名鑑」 という女性声優の名前がひたすら並んだ本を笑顔で読み進めている部員の姿があった。

自分はその時カードゲームも声優もまったくわからなかった。臨時で用意された椅子に座った他の新入生と少しお話をした程度でそのときは終わった。 新歓でなんだか楽しそう!となっていたはずだったがいざ部室に来てみると(……ところで、これから何をするんだろう?)と訳がわからなくなってしまった。よし、今からそのカードゲーム始めてみよう!とか女性声優に詳しくなろう!という気もその時は湧かなかったのである。 おそらく、 ぼっちを回避することに必死で、その先がノープランだったから だろう。大学生活をこういうものにしたいという考えが自分には当時まったくなかったのだ。

そう言ってるうちに、一緒に部室を訪れた人も「うーん、会費もかかるしなんかあまりピンとこなかったからアニメサークルはやっぱりやめておこうかなぁ」と言った。当日こなかった残りの2人もその後ほとんど連絡を取ることがなく自然とあの帰り道4人の誓い(?)は消えてしまった。

このアニメサークルや第2のオタサーが悪かったわけではなく、当時の自分が何も考えられてなかったというだけ。 このときに知り合った同じ学部の友達はその後も連絡し続けたし、オタクとは何なのかといった自分への問いかけができたりしたいい機会だった。勇気を出して新歓に行ってよかったとおもう。

また、ここから1年後ぐらいに別のアニメ系サークルに入部するとは当時は思ってもいなかった…。

電気情報研究会

最後に行った新歓イベントは「電気情報研究会」。 これは前半にも書いたとおりサークル一覧の冊子を見たときから入部を検討していたサークルだ。

ブースに行くとパソコンが置いてあって、部員が作ったゲームをプレイできるようになっていた。 そのゲームは3次元空間をうまく生かしたパズルゲーム的なものだったが、自分はゲームが下手すぎてまともにクリアできなかった。 それをブースに居る先輩に見られているというのもなんかすごい気まずくて、「あ…もういいです…↓」みたいにいきなり暗い感じになってしまった。

そしたら別の先輩が「君〇〇学科?じゃあ履修の相談とか乗るよ、同じ学部の先輩たくさんいるから。部室においでよ」と言われて部室に案内された。 部室のある場所は、壁に大量の落書きがされていて異様な場所だった。その奥にある電気情報研究会の部室で先輩方に「おすすめの授業」などを教えてもらった。やはり電気情報研究会は情報工学系の学部の人が多くいて頼もしかった。

▲ 文化系サークル棟の壁。こんな落書きがあらゆる場所にあるhttps://twitter.com/DoshishaNavi/status/418710923465871360 より引用)

そんな電気情報研究会でも新歓の飲み会があったので参加することになった。 行きの道では自作PCのパーツの話などをして盛り上がった。飲み会の席につくと周りには様々な人がいた。 大学1年の時点で10万円ほどするAdobeのマスターコレクションを持っていてデザイン関連の仕事?までやっている人、4回生のような風格を持っているのに実は2回生だった先輩、「なんかITでビジネスやろうよ!!」と大声で主張する意識の高そうな人…など。

飲み会の途中でひとりずつ自己紹介するタイムがあり、「高校時代からプログラミングをやっています」という人がひとりいた。C++やRubyといった複数の言語が聞こえたので(あっこれは結構やってる人だな)と確信してその人に話しかけてみた。 やはりプログラミングが好きで情報工学科やこのサークルに来たこともあって「俺より強い奴に会いに行く」的なことをやってみたい憧れがあった。

お互い軽く挨拶程度をすませたあと、急に質問が飛んできた。 「じゃあ早速聞いてみたいんだけど、ゲームにおける二次元のマップの構造を保持するのに最適なデータ構造ってどんなのだと思う?」 これを聞いて正直答えはわからなかった5。でも、嬉しさがこみ上げてきていた。こんな話をリアルでできる場所があるのか!と。 今までプログラミングを独学でちまちまやっていたが、リアルでプログラミングの話を誰かとしたことなんてほとんどなかったからだ。 さらにその人は同じ学科だったので、早速連絡先を交換して、同じ授業取ろうよ!とか話したりした。

後日、その同学科の人と一緒に電気情報研究会の部室に足を運んで先輩と交流することもあった。 その日は突然先輩から「へぇ、君、プログラミング経験者なんだって?じゃあちょっと問題なんだけど…」と言われていきなり目の前でプログラムを組まされるということになった。何事でも上級生の見ている前でやるというのは緊張するのだが冷静に「え、えーとこれはこうですよね…」みたいに進めていった。 そしたら 「ほぉ…ポインタの使い方をわかっているね。さすがだ、教える手間が省けたよ」 と漫画に出てきそうな台詞をいただけたのはけっこう嬉しかった。

また、同じ日だったかは定かではないがシューティングゲームのように、十字キーでキャラクターを移動させるというプログラムの設計の話題になった。↑と←キーを同時に押すと両方の移動ルーチンが実行されて斜め上に進むように組んだが、「それだとちょっとまずいよ、斜めの線は縦横よりも線分の長さが少し長いので移動速度が上がってしまうんだよね、三角関数を使って斜めでも同じ速度になるようにしないとね」と指摘を受けて(なるほど、すごい!こういうところで高校時代に習った三角関数とかが役立ってくるのか)と無駄に感動していた。ゲーム開発経験者からしたら当然かもしれないが、Webアプリばかり作っていた自分にとってはこれだけでも十分新しい情報として衝撃的だった。そしてなにより自分よりできる人が周りにいるという環境は良いなぁと感じたのだった。

▲ そのときに描いた図。なぜかGoogleフォトに残ってたので掘り出してきた

新歓期間を終えて

こうして新歓期間は終わり、アニメサークルで会った人、電気情報研究会で会った人などと授業で合流し、 無事に入学前に不安だった「ぼっちの回避」という目標は達成できたのであった。めでたし……。 ひとまず2chまとめブログで煽られていたような、ぼっち生活で授業の疑問点についても頼れる人がいなくて詰む…みたいなことはなかった。

しかし、アニメサークルの部室での一件でも書いたように、 入学してから何をしたいか何も考えていなかった。 よって入学前の不安ごとが片付いたとわかってから、高校時代のような生活(ネットゲーム、タイピングゲーム、2chまとめブログ巡回)に戻ってしまい授業もあまり真面目に聴かない生活が続いた。 もちろんプログラミングはやってはいたのだが、それは前からやっていたことであり延長線上という形だ。

大学生になって新しくやり始めたことがなかった。 入部した電気情報研究会も、総会には参加するもののサークルとしてなにか活動するということを全然せず半分幽霊部員状態になっていた。

転機が訪れるのは、2012年10月。 きっかけはあまり覚えていないが、アニメをたくさん見るようになったこと である。 ここからはまた別の記事で書きたい。さすがにこの記事も長くなりすぎたので…。


  1. 「ひとりぼっち」の略。 ↩︎

  2. 今やすっかり日常系アニメ好きになってしまったが、当時はまだそういったアニメへの興味は薄かった ↩︎

  3. 今では好きな声優さんのひとりです。特に城下町のダンデライオンの茜様の声が良いんですよね ↩︎

  4. 大学の創設者のお言葉「我が校の門をくぐりたるものは、政治家になるもよし、宗教家になるもよし、実業家になるもよし、教育家になるもよし、文学者になるもよし、且つ少々角あるも可、奇骨あるも可、ただかの優柔不断にして安逸を貪り、苟くも姑息の計を為すが如き軟骨漢には決してならぬこと、これ予の切に望み、偏に希ふところである」 ↩︎

  5. 自分は主にWebアプリ開発をメインでやっていたため、ゲームをまともに作った経験はなかった ↩︎