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ラブライブ!サークルの思い出

前回の記事で、ラブライブ!に夢中になったタイミングで大学にラブライブ!専門サークルができていたことを知り唐突に入部希望を送ったところまで書いた。その後実際に入部してからの話を書く。

はじめての総会

ラブライ部は3rdライブ(2013年6月)が終わった後に、アニメ系サークルの有志が意気投合して創設したらしくて、自分が入った2013年9月はまだ設立直後だった。そのあと10月に総会が開かれたのだがそれは記念すべき(?)第1回総会だった。

勢いで入部したものの、総会に行くと考え始めると緊張してきた。 なにせ自分はサークル活動をまともにしたことがなかった。入学直後に電気情報研究会に入会していたものの、総会だけ出て他は何もしてない実質幽霊部員だった1からだ。 なので、誰かとコミュニケーションする機会といえば同じ学部の人ぐらいで、それ以外はほぼ経験がない。 そんな状態でいきなりはじめましての人しかいない総会に参加してどうしよう??とか考えてお腹が痛くなってきたのを覚えてる。

総会の会場は大学の教室…ではなく、なんと大学のすぐ近くにある副部長の家だった。そして4〜5人ぐらいが集まり、総会が始まる。 あまり詳しくは覚えてないが、軽く自己紹介などをしたんだと思う。途中で部員から「まぁラブライブサークルっていっても皆さん実際DDですよね?」的な発言があって、(DDってなんだ…?DOG DAYS?2)と焦って調べたりしていた。 ひと通り総会も終わったかと思ったら「じゃあ…やりますか!」って感じで 副部長が折ると光る棒(通称UO)を配布しはじめ、テレビには「夏色えがおで1,2,Jump!」のPVが映し出される。 部員が一斉に「Foooo!!!!」と叫んでテレビに向かってノリノリでコールし始めた。ライブイベントでは光る棒を持ってコールをするってのは知っていたが、まさか自宅でそれやる!?と衝撃を受けた。 当時スクフェスとアニメでラブライブ!を認識していた自分から見ると完全に異世界だった。でも、嫌な感じはしなかった。何もわからんが、なにかおもしろいことが始まりそうだと感じられた。

入部後の活動

学祭で教室を借りライブBlu-rayの上映をやった。 大学の教室のスクリーンにアニメ系イベントの映像を流すって光景がまず面白すぎて(こんなことしていいんだ…)と感動した。そんな中で光る棒を振り回してはしゃぐ部員たち。 何も知らない人からみたらあまりに面白い状況である。時々アニメのライブイベントとは全く縁のなさそうな人がやってきては動物園に来た的な感じで笑いながら眺めている様子が観測された。

自分はコールも覚えてないし、ライブイベントもほぼ行ったことがなかったので(これ、どうすればいいんだ…?)と悩んだ。もちろん部員を見習ってライブ映像を見てはしゃぐでも良かったはずなのだが、人前であんなにはしゃぐのはちょっと…とためらいがあった。しかし、広い場所でみんなの好きな曲・映像を流してワイワイするというのは見ているだけでも楽しいもので、後ろで突っ立って眺め続けているだけでも飽きなかった。

自身は何の活動をしていたかというと、高校生の頃までに引きこもって身につけたパソコンの大先生スキルをいかして告知用のポスター画像を作ったりしていた。 この頃はまだ絵はまったく描けなかったので、既存の画像を切り貼りして作ってた。

その後、サークル活動でラブライブ!がより好きになってより詳しくなった……ということは実はあまりなくて、これは自分自身が2014年2月の4thライブあたりをピークにラブライブ!熱が冷めたというのが一因としてある。もともと入部自体も勢いみたいなものだったので、冷めるのも早かった。

しかし、ラブライ部からはラブライブ!の知識以外に多くの学びがあってそれが非常に面白かったので最終的に卒業まで所属しつづけた。ラブライ部をきっかけに知って興味深かった文化をいくつか紹介する。

リアルイベント

入部して部員のみんなと話して印象的だったのは、アニメ系や声優のリアルイベントに頻繁に行くという文化だった。 部員はよく「〇〇のチケットが」だとか「夜行バスが」とかそういう話で盛り上がってた。「週末都民」なんて言葉が交わされ毎週のように東京のイベントに参加している人もいてただただすごい…となった。 自分はもともとスクフェス(ゲーム)とアニメからラブライブ!に入門したのでリアルイベントに当然のように通うというのが異文化でおどろいた。その流れで、自分もリアルイベントに行ってみよう!となった。

学祭シーズンになると関西の大学でもあちこちで声優を呼んだイベントが開催されていたので参加してみた。 京都大学のChouChoスペシャルライブでは、好きな曲がいくつも流れて感動的だったし、イベントに行くと大抵ラブライブ部員のだれかが同じイベントに参加していて、Twitterで感想をつぶやいているのを見ては「あぁ、それわかる!」となって楽しかった。 そこからは流れにのってきて、nano.RIPEのライブイベントに参加してこういう狭い場所でもみくちゃになってやるタイプのイベントもあるのか、と知ったり、アイドルマスターのイベントに参加してキャラごとの色分けや細かいコールの多さにビビったり、はじめて夜行バスに乗ったり、LCCを使ってみたり、格安の怪しい宿に泊まったりと新たな体験が味わえた。

Twitter

次にラブライ部に入って初めて触れたのがTwitter文化だった。 部員のほとんどはTwitterアカウントを持っていて、1日中だれかしらはTwitterにいるなんて状況だった。 登録はしていたものの、たまに見る程度のサービスだったので、ここまでTwitterをメインに据えて活発にコミュニケーションする文化があるのかと驚かされた。

そして、みんなのツイートを見ているとだんだんTwitter文化での振る舞い方がわかってくる。 それに乗じて自分もお気に入りのアニメの感想をツイートしたりしつつ、だんだんとTwitterにのめり込んでいった。 リアルではあまり話したことがない人とも、Twitterで会話できるなんてこともあった。 Twitterは基本はただのひとり言なんだけど、誰かが興味を示したときだけ横から入ってきて会話が始まるなんてノリが許容されており、あまり気を使わずにコミュニケーションが取れて本当によくできている。

アニクラ

リアルイベント文化からの発展か、2013年12月にはダンススタジオを借りて持ち寄った曲を流して光る棒を振ったりしてワイワイするってイベント(通称:打ち会)が開かれた。 打ち会では「オタ芸」というのが行われてて、これは曲に合わせて光る棒などを持ちながら独特のダンスをする芸である。

こういったイベントは「アニクラ」(アニソン中心のクラブ?)と呼ばれていて、全国的にもけっこう開催されていて人気みたいだ。 ライブイベントでは(オールスタンディングなどを除いて)基本的に観客は座席から動いてはいけないし、声援もお決まりのコールと「うおおお〜!」程度のことが多い。 しかし、アニクラは走り回ったり踊ったり、歌詞を一緒に歌ったり、しまいには円陣を組んだり組体操みたいなことをしはじめたりする。 特に印象的だったのが、好みの曲が流れ始めると「それ!!」と叫びながら指を指して前の方に走っていくという挙動だった。ライブイベントではこんなのは基本見られない。さらに、あぁこの人こういう曲が好みなのか〜ってわかって非常に面白い。 これは単純で真似もしやすかったので、カラオケに行ったときも誰かが曲を入れると「それ!!」とか言ってはしゃぎ始める(当時は「高まる」とよく呼んでいた)のが流行った。

最初の「打ち会」は、持ち寄った曲を順番に流すだけだったが、だんだんと本格的になっていき クラブイベントでDJが使うようなコントローラーを買った人が現れ、曲と曲のつなぎもちゃんとシームレスにつないでいくという形になり、プロジェクターで映像が投影され、本格的にクラブイベントっぽく仕上がっていく。 そして2015年には部員以外も参加可能なDLC_FMというイベントが開催された。

DLC_FMには自分も曲を流す側として参加していて、部員から「やってみませんか?」と誘われたことから始まった。 最初は(う、人前で話すことすらほぼやったことがないのに、人前で曲を流すなんてできるだろうか…)とかなり不安になったが、打ち会をはじめアニクラを見ていてどこか楽しそうだな、曲を流す側になったらもっと楽しいのかもしれないなって気持ちもあったので怖がりながらもやってみることにしたのだった。 結果としては自分が考えた曲目(セットリスト)でみんなが反応してくれるって体験は最高に楽しかったし、 (当たり前だけど)自分の好きな曲ばっかりが途切れることなく流れ続けるというのは自分ひとりで聴いてても心地よいもので、曲と曲をつなげる。ただそれだけでもここまで楽しめるものなんだなぁと感心した。

このDLC_FMはけっこう人気だったみたいで、そのあと何回も開催されることになる。自分も曲を流す側だったり聴く側だったりで卒業するまで何度か参加した。 面白いことに、2020年9月現在でも同様のアニクラが開催され続けている

最後に

読み返すと「ラブライブ!の話してなくね?」と自分でツッコミを入れたくなった。 実際はここに書いてないだけで、ラブライブ!のコンテンツを追ったり関連イベントに参加したり、会報誌を作ったりの活動は色々あったのだが、ラブライブ!関連以外での学びが多くて印象的だったのでそっちを重点的に振り返った結果こうなった。最初のきっかけこそラブライブ!だったが、そこから当時のオタク文化やオタク系サークルの雰囲気を知ることができたいい機会だったと振り返って思う。

途中でラブライブ!熱が冷めたと書いたが、完全に興味がなくなったわけではない。卒業後の今でも(元)ラブライ部員の人たちと話すこともあるし、ラブライブ!関連アニクラの宣伝用イラストを描いたりしている。しかし、ラブライブ!サンシャインからはコンテンツ自体は追えてなくて、まぁそのうち見ようと思ってたらいつの間にかニジガクだったりスクスタだったり新しい展開が次々とされていてラブライブ!全然わからない人になってしまった。その割にたまにシャッフル再生で流れてくるμ’sの曲は聴き返して懐かしい〜〜!!やっぱこの時代なんだよなぁと懐古してたりする。これやりすぎると時代に取り残された悲しいラブライ部員になってしまうので、新しいコンテンツの履修は今後の宿題ということで…。

脚注

  1. 実はこの後2014年からは電気情報研究会の活動もするようになった。それはそれでまた別の機会に書きたい。

  2. ここで指してたのはDOG DAYSではなく「誰でも大好き (Daredemo Daisuki)」の略称で、1人のメンバーやユニットを熱心に応援するのではなく、最近流行りのアイドルならどれも好きってファンや態度のことを指すアイドル界隈の用語