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VRChat内のアニクラに参加した

去年にOculus Quest2を買って最初はコイカツなどをプレイして楽しんでいたが、 ここ最近はまったく触ってなくて押入れに眠ったままになっていた。 そんなときにお絵かき練習会主宰のrnvnekoさんから「Quest2を買ったので一緒にVRChatやってみません?」というお誘いがあり、 久しぶりにVRの世界に飛び込んでみた。


VRChat内ではスマホのカメラを操作するような感覚で自撮りができる。これ何気に楽しい。

そして、直近でVRChat内アニクラが開催されるらしいという情報を教えてもらい参加することになった。 アニクラとはアニソンを流してわーきゃー盛り上がるクラブイベントで、大学のサークル時代からこの文化に触れて気に入っていたのもあり、VR上でどれくらいちゃんと「アニクラ」らしくできるんだろう!?と非常に気になったのである。

https://twitter.com/Nicolaaaaan/status/1506981666853580802

参加方法は意外とかんたんで、主催の人にVRChatのフレンド申請を送るとフレンド一覧画面に開催中のワールドが表示されるのでそこからすぐに入ることができた。

入って階段を登ると… こ、これはアニクラだ!!

大音量でアニソン(やゲーソン)が流れ、高まった人は前に走って行き腕を上げたりしている。 そして曲が変わるたびに「あ〜このアニメは必修科目だよなぁ〜!」「これ懐かしい〜」などとアニメオタク達が雑談しはじめる。 自分の知ってるアニクラと同様の体験がここにはあった。本当にびっくりで思わず何回も「すごい…」と呟いてしまった。 本場のアニクラと違うのは、参加者がほとんど美少女で、男の声で喋っている 点ぐらいだ。最初は戸惑うかもしれないが、アニメのオタクが集まるんだしそりゃそうなるよな…!これが未来か…!と素直に感動した。

ただ、どうしても技術的制約がある。たとえばこのアニクラのVRChat worldはPCVRからじゃないと入れないし、 結構なマシンスペックが必要そうだ。うちのRTX 3070マシンでも時々音声・映像が乱れたりした。GPU使用率は100%近く張り付いていて非常に高負荷だった。また、けっこう気になったのが 距離と声の聞こえ方 についてである。現実世界に則して遠くにいる人の声は聴こえなくなるのだが、どうしても精度が現実と比べてガバガバになっている。すぐ近くの人よりももう少し離れた人の声が大きく聴こえたりして人がたくさん集まって別々の会話をしている場所にいくと様々な会話が混線して会話が把握できないこともあった。ただ周りの人は平然と会話を続行していたので設定や本人の認知の慣れ次第で改善できるのかもしれない。

そして長時間ヘッドマウントディスプレイをつけていると物理的に重いし、眼の疲労や酔いという問題もある。何度もやって自分の体を慣らすという手もあるが、もう少し気楽にだらだらと楽しみたいなぁという気持ちもあるし、制約が多いと他人を誘うハードルもまだ高い。ここは今後のVRの技術進化に期待したい。

最後にコミュニティの雰囲気について。Coolなコミュニティ を感じられた。Coolって何だよという感じだが、一緒に入ったrnvnekoさん以外知り合いが一人もいないワールドで無言でうろうろしてたら常連さんぽい人たちが話しかけてくれた。どうやらVRChatにはユーザー熟練度ランクみたいなのがあるらしく、自分たちは一番下の Visitor というランクだった。このランクは他人からも見える仕様になっているので(あ、この人は初心者なんだな)というのがわかり、話しかけてくれたのかなと思った。昔のインターネット的あたたかみを感じられて嬉しかった。自分は「昔のインターネット」的な雰囲気が大好きなのでこれはCoolだねぇ…と感動した。

VRChatは上に書いた通りの技術的な制約も多く、”ちゃんとやる”には様々な知識も必要になるはずだ。そんな環境にいる人達はアーリーアダプターというべきか、とにかくリテラシーの高い人たちだと予想がつく。これは実に初期のインターネットのような文化圏になっているのではないか。そう思うとわくわくしてくる。Twitter等のSNSと比べると閉じた世界で人口も多くないから新参者にはとても優しいんじゃないだろうか。

自分が今後VRChat世界に浸かっていくのかはわからない。正直初対面の人と声出しで同期的コミュニケーションするのにまだ抵抗があるというか、疲れるしやっても下手というコンプレックスがあり今後どんどん交流してワイワイするぞ!といった気持ちにはなかなか至れないのだが…。でも、新しい文化圏、新しい技術、そういったものに直に触れる体験は貴重だしほんのさわりだけでも体験しておくのは良いことだよな〜と思った。