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テキスト・コミュニケーション

インターネット上でのコミュニケーション手段といえばテキスト・音声・動画があげられる。昔はテキストが基本だったが、技術の発展とともに音声通話がお手軽になり、ついには動画で対話するのも当たり前になった。 そんな時代だが、私は今でもテキストが一番好きだ。 インターネットの魅力のひとつは「発信者が何者なのかよくわからない」だと思っているから。 テキストは発言主の透明化が最もよくできている媒体だと思う。

これがテキスト以外だとどうか。まずは音声。音声コミュニケーションには声が入る。 声には想像以上にパーソナリティが含まれている。性別、話し方、口癖、声色など…様々な個人情報が推測できる。 そして、動画になると顔、髪型、仕草……、かなりの情報量が晒される。

パーソナリティがよくわかる状態で会話をするとどうしても認知バイアスや配慮が入る。 年上(年下)だから、同性(異性)だから、肩書が〇〇だから、 フォーマルな外見だから発言も正しそうだとか……意識したくなくても完全に捨てることはできない厄介な存在だ。

現実世界でそういったバイアスを避けられないのなら、せめてインターネットくらいはバイアスから解放された、フラットに話の中身に向き合える場所であってほしい。ただ、匿名性が高いほど良いということでもない。 確かにネット初期にのめり込んだ2chは匿名性が高かったが、その後に移ったMMORPGやはてな、Twitterはテキストベースだが長期的な個人性が付与されている。「〇〇さん」という個人は特定できるが、その〇〇さんの外見、声などに意識が引っ張られない状態で会話したい、といったところか1

そんなことを言いながらも、テキストベースで認知していた相手の個人情報がチラ見えするとちょっと嬉しい。たとえば(あの人、同世代だったんだ)とか。先に発言を知ってからの、後から個人情報を知るという順序だと歪められた感覚がなくむしろ嬉しく感じるのは不思議なものだ。

脚注

  1. MMOのアバターやSNSのアイコンは外見の要素になるのか問題があるが、考えるとややこしいのでここでは現実世界の容姿とする