大学卒業後に見る『四畳半神話大系』
『四畳半神話大系』というアニメがある。 大学生活がテーマの作品なので、大学1に入る直前の春休みに(ちょうど今なら楽しめそう!)と思って見たのだが、ふ〜ん確かにいい話かもな〜(他人事) という薄い感想で終わっていた。
しかし、大学を卒業してから結構経った今、改めて見ると面白い…というか心に刺さるものがあった。 大学を出ると一度は「あそこで異なる選択をしていたらどんな大学生活になっていただろう?」と考えることがあるはず。もし過去からやり直せるならもっと良い方向に…とたとえば(〇〇のサークルに入っていればもっと華やかな大学生活を送れたのでは)なんて想像しちゃったりする。
この作品を「面白い」と感じるには物語をある程度自分事にする(共感する?)ことが重要なのではと感じた。大学生活を始める前にこの作品を見ても心には響かない。卒業後の(あ〜大学生やり直せるならどうするかな〜)なんて考えてしまう時期に見たほうが響いたんだろう。
このアニメは色々なサークルに入る主人公の姿が繰り返し描かれて進む。途中はなんか色々な女性と恋愛するのかどうなのかという話が続いて(結局、恋愛ですか……)とつらくなる2がそれは一旦置いといて、最後の10〜11話で不満を言いながらも色々とやってた大学生活も十分楽しいじゃないか。という気づきを主人公が得て終わる。この終わり方が今になって…大学卒業後の今になって!!ああああ〜〜〜〜良いなと感じられた。
なぜなら自分も大学生活の思い出を振り返ったときに篭もってプログラミングやってアニメアニメアニメしてたら大学生活終わった…楽しかった気もするが、これで本当に良かったのか?と思ったこともあったからだ。そんな思いを経て『四畳半神話大系』のラストを見たら「大学生活で関わってくれたみんな…ありがとう…」と救われた気持ちになれた。この作品では恋愛がよく出てきたが、別に恋愛できてなくても大学時代の思い出悪くなかったなと思えてきた。少なくとも無限に続く四畳半宇宙を彷徨い続けるよりはね。
ところで最終話で四畳半から脱出した主人公は六畳のアパートに引っ越しているので、『四畳半神話大系』を終えた皆さん、次は『六畳間の侵略者!?』を視聴しましょうというメッセージなのかもしれない。
脚注