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持続可能なインターネット計画

自前構築のMisskeyサーバーがまもなく一周年を迎える。 当初はすぐ飽きる予感があったが、反して一年間、気づけば毎日のように張り付いていた、もしかするとX(Twitter)より見ていたかもしれない。

最初こそ新興のSNSをTwitterの避難所と捉えていた。 しかし、考えが変わった。避難所ではなく同時に参加できる別のコミュニティであるという認識へ。 お昼休みはクラスメイトと話し、放課後にはまた別の部活メンバーと喋るような、とでも言えるだろうか。 だから元々Twitterで交流のある人だけをフォローする必要もない。別のコミュニティなのだからそこで新たなフォロイーを探していい (とはいえ、最初に誰をフォローすべきかわからない場合にTwitterで見覚えのある人から辿るのは有効だ)。

なぜわざわざ2つ以上の居場所を求めるのか? ひとつは、それこそインターネットの強みだと思うからだ。 現実では複数の住所を持っていても移動のコストが高く、短期間で行ったり来たりするのは大変だ。しかしインターネットは新規タブを開けばすぐ別の場所に降り立てる。 数タップですぐに元の場所に戻ることもできる。コミュニティの特性によって複数の顔を持ったっていいわけだ(実際、昔のインターネットはそんな感じだった)。

そして二つめは、多くの選択を知れることだ。ことSNSにおいては、過去の記事で言及したように中央集権・分散という異なる方式があり、 それぞれ何が良くて悪いかを知っておくと様々な場面で活きてくる。 突然APIが有料化したり、いいね欄が閲覧不可にされたり、……そんなことが重なって今住んでいるSNSと折り合いがつかなくなったら?  そんな時に中央集権とは異なる概念を知っているか否かでその後の方針も大きく変わるだろう。 この二つめの理由によって私はTwitterで複数アカウントを作るよりも異なるプラットフォームへの分散を勧めたい。

これは何もSNSに限った話ではない。インターネットにおいて利用するサービスを選ぶ場合すべてに言える。 なんでもGoogleに依存するのはいいのか、とか、VISA/Masterカードが急に使えなくなった、とか、クラウドストレージ vs NASとか、例はたくさんある。 自分も昔は全部ひとつのサービスに揃えたほうが楽で便利だろうと思っていたが、昨年のTwitterの騒動を経験し分散型の理念を知ってからは徐々に考えが変わりつつある。

とにかく、何事も複数の選択肢を持っておくに越したことはないだろう。 所属コミュニティ、利用するサービス、……持続可能なインターネット活動のために。