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ネットゲームで詐欺の被害にあった話

タイトル通りネットゲームで詐欺の被害にあった、2006年に。

なぜ今更になって過去の失敗をわざわざ掘り返すのかというと、 今になってみれば笑い話にできそうなイベントだったなと感じて記憶が残っているうちに記録しておきたかったからと、この一件から多くの学びを得られたからである。

あるとき「有機物くん」という人1が新たにギルドに入った。 当時の自分(下図の「弓せってん」というキャラ)とLvが近かったのもあって一緒にモンスターを倒しに行ったり最初は仲良くやっていた。

有機物くんはとある高価な装備を持っていて、ある日「これ使わせてあげようか?」と言ってその高価な装備を一時的に貸してくれた。 このときに代わりに自分の装備をひとつ貸し出すことで交換しようとなり、こちらは「おぉ〜たしかに攻撃力上がった!」など盛り上がって、その後装備をお互い返却して何事もなく終わった。

その数日後、有機物くんから再びパーティーのお誘いがあり行ってみると突然こちらに課金アイテムをプレゼントしてくれ、その上ワールド全体に向けて 「弓せってんさんカックイイ~(ぁ」 と(めちゃくちゃ雑な)持ち上げを始めたのだ。

普通ここで明らかに態度がおかしくないか?と気づきそうなものだが、当時の自分は若くリアル厨房2だったので(えぇ〜急にそんな、照れちゃうなぁwえへへ)的な気持ちでヘラヘラしていた。 その勢いで「もう一度あの装備貸してくれない?」と持ちかけられた。今度は交換ではなく一方的に貸してくれ、というやつだった。 えー普通にこっちも普段遣いしてる装備だから正直ちょっとなぁと思いつつも、以前に高価な装備を貸してくれた実績もあり有機物くんを信頼していた自分は何の疑いもなく装備を有機物くんに渡した。で、あとはタイトル通り そのまま装備を持って逃げられた。 このゲームは特定の人物の現在位置できる機能があり、盗られた後必死に相手の位置情報確認を連打して焦っている様子が当時のスクリーンショットにしっかり残っていて微笑ましい。

さて、ここで終わると(あ〜当時は若くてバカだったな〜)(一度正当な取引で信頼させておいて、二回目で盗むというテクニックかぁ…)程度で終わるのだが話はまだ続く。 前述の通り同じワールド内でログイン中であれば特定人物の位置情報を確認できる。よって盗られて悔しい思いをした自分は定期的に有機物くんの位置を検索していて、ある日大陸間を移動する飛行船に乗ろうとしている有機物くんを確認し、ギルド仲間を引き連れて船着場まで追いかけたのだった。

そして船着場に着くなり、ギルド仲間が一緒になって怒ってくれた。 勝手に信頼して勝手に裏切られて詐欺にあった愚かな中学生の僕に対して呆れたりすることもなく味方になってくれた。これはとにかく嬉しかった覚えがある。

有機物くんも有機物くんで、こっちが追いかけると本気で喧嘩を買ってくれて「船に乗れなくて残念wば〜か!!」などと小学生のような口喧嘩を繰り広げた。ネット上のケンカというのは、物理的に殴り合うわけにもいかないので基本的に大勢いる方が有利という感じになる。こちらがギルド仲間を引き連れていったなら有機物くん側も仲間(?)的な人を連れてきたり、課金アイテムのワールド全体にメッセージを送れる拡声器を利用してこちらの悪評を流して味方を増やそうとするような立ち回りをしていた。向こうからやり返される度にこちらのギルド内で「くそ!!!有機物くん、許さん!!!」という形でチャットが盛り上がり次はどうしてやろうか!とか本気で相談していた。

そうやって1〜2週間ほどバチバチにケンカしていた我々だが、お互いわーきゃー言い合っても何も進まないと気づいたのか自然とケンカの機会も減っていき有機物くんの記憶もだんだんと消えていった。詐欺にあったのは本当でも、ネットゲーム世界は現実とは違って警察はいない。運営会社に「〇〇さんにアイテムを盗まれました!」とお問い合わせを送っても証拠をつかむのも難しいし、リアルな現金が絡んでるならまだしも、ゲーム内のアイテム一つに対しての揉め事に対応しているほど暇でもない(これは、社会人になってゲーム運営側になるとよくわかった)。

でも、この一件があったおかげ(?)でギルドメンバーにみんなで悪を倒すぞ!!みたいな結束感が生まれたりしてこれはオフラインのゲームではできない貴重な体験ができた。詐欺師に対してみんなで悪口を言って攻撃するぞ!とはなんと稚拙な戦い方だ…と思うところはあるが、目的というのは案外なんでもよくて仲間意識を芽生えさせるトリガーのひとつだったというだけだろう。

そしてエモいことに当時一緒に戦ってくれたギルドメンバーは今でもTwitterのフォロワーに数人いたりする。もしこの記事読んでうわ〜〜〜っそんな昔の話掘り返さないでよ!って思ったら申し訳ないとは思いつつも…。ゲームのアイテムなんてどうでもいい…それはきっかけでしかなくて、そこで得られる人間のつながりが大切なんだ…とアニメの最終回みたいな気づきを得てほっこりした。

脚注

  1. 名前出しちゃってるけど、15年以上前の話だし本名ではないのでまぁいいでしょう

  2. 中学生のこと