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『サピエンス全史』感想

『サピエンス全史』という本を読んだ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01KLAFEZ4

これまで寝る前に興味ある分野の本をちまちま読んでいたが、たまには定番ベストセラーも読んでみるか、と思って何かちょうどいい本ないかなと探したところ、好きなブログの本しゃぶりで紹介されていたのでこの『サピエンス全史』を選んだ。

地球の歴史において人類が他の生物を出し抜いて繁栄するというはるか昔の話からはじまり、繁栄と共にどんどん増えていく人類を統率する家族・国家・宗教の概念を解説し、産業革命から科学の発展、そして資本主義……さて、これからの未来は?という流れがきれいにつながっていて読みやすい。なるほどさすがベストセラーになるだけあるなぁと思った。

また、幸福に関する話題があったのが良かった。人類が構築した社会は(特にここ100年ぐらいで)急速に発展して豊かになり、暴力や戦争や病気による死もかなり減った。でも、現代の人類は昔の人類に比べて幸福になったと言えるのだろうか?という問いかけがされている。これは過去に書いた記事でも考えていたテーマと似ているので共感度が高かった。ただ、この本でも問いかけているだけで答えは出ていない。答えを探すならこういう本より哲学書が向いてるのだろう。

あまりに説明がきれいなので、この本を読むと 人間社会の本質がわかった気になれる 。 あぁ〜人間の社会って結局そういうことね完全に理解したぜ、とまるで自分が上位の存在になったような気にさせてくれる。 もちろん本当に本質を理解したわけではない。それはそう。本質ってそもそも何?って話だし。 でも気持ちの高まりを与えてくれるという意味では良質なエンタメだ。

エンタメとは視点を変えて、この本を読んで何か実生活に役立つ要素があるか?というのも考えてみた。 この本は過去の歴史を中心に解説していているので、未来はこう行動するべきだとは書かれていない1。 しかし、今後世の中が大きく変わった時に(あぁこれは人類の歴史から考えると自分はこの行動を取るべきだろうな)などの発想ができるかも。そういった発想や行動原理の引き出しを増やしてくれるのなら「読んでてよかったサピエンス全史!」と言える日がくるかもしれない。

脚注

  1. 同じ作者の『ホモ・デウス』という本では未来を語っているっぽい?このあと読むかも。