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2021年1月、NZXT H1で新PCを組みました

きっかけ

前回の自作PCから3年以上経って、そろそろ次のPCが作りたい!となった。 正直2017年に組んだPCでも日常的な作業は困っていなかったが、パーツを選ぶのは楽しいし、最近の自作PC事情を学べてよさそうと考えた。

パーツ選定

パーツ構成は次のようになった。

お値段は合計で23万円ぐらい。

パーツ選定の理由

ちっちゃいPCがいい という希望は前回と変わらず。 NZXT H1は小さいながらも大型のグラフィックボードが入る優秀なケースなので、小ささを維持しながら高性能を狙えた。 かつ、見た目もシンプルで好みだったのでこのケースしかない!と判断した。

NZXT H1以外は深く考えずに決めた。 最近人気のパーツでNZXT H1に入るものという基準だけで選んだ。

NZXT H1の危険な不具合と修理

NZXTのPCケース「H1」に安全に関わる不具合、使用停止を呼びかけ - AKIBA PC Hotline!

NZXT H1が届いてさぁ組むぞ!となった矢先に問題が起こった。 一部の部品でショートが発生して発火する恐れがあり、使用停止してくれ、 この問題をなおす修理キットを無料で配布するのでそれまで待て。とのこと。

よって修理キットが届くまで待ってから組み始めた。 この修理キットの取り付けが結構面倒で、手順が書かれたPDFが公開されているが ライザーケーブルを固定している2つの金属ネジを外そうとしたらPCIeの接続部とドライバーがぶつかって非常にやりづらかった。 少し斜めからドライバーを入れて無理やり押さえて回すことでなんとか外した。

組み立て作業

付属の説明書やネットの記事を参考に組み立てた。 だいたいスムーズに進んだが、唯一手こずったのはCPUクーラーの取り付け。 下の絵にかいたとおりCPUの上にクーラーを左右2箇所引っ掛けて固定するのだが 片方を引っ掛けるともう片方が全然はまってくれない。

対策として、左右を固定するバネ付きのネジを片方だけつけておいて、 もう片方は下に引っ掛けてから最後にバネ付きネジをつけるという順序にしたらなんとかはまった(それでももう片方はネジの締まりが悪い感じだったが、まぁいっか…で済ました)。

組み立て後のOSインストール

組み立て後、電源をつないで起動を確認した。

そしてWindows 10をインストール。ここまでは順調だったのだが…。

ネット接続とドライバー問題

Windowsをインストールしたが、インターネットに接続できなかった。 なぜなら内蔵無線LANのドライバーが入ってないから。

ドライバーは大抵インターネットで配布されているのだが、インターネットににつながらないので取りにいけない。 なのでマザーボード付属のCDを入れてインストールしようとした。CDを入れるには光学ドライブが必要。 なんとかMacで使っているUSB接続の光学ドライブがあったので持ってきて使った。

インストール画面を操作するにはマウスが必要だが、無線マウスしか持っていない。 無線マウスを使うにはマウスのドライバーが必要。 あれ、これは詰んだ…? と思いきや、無線マウスについていた充電用のUSBケーブルをPCに挿すと有線マウスとして認識してくれた。よかった…。 そうしてCDからWi-Fiドライバを入れることでインターネットに接続できた。

ここまで書いてなかったが、キーボードも無線のものはドライバーがないと認識できない場合があるので最初は有線のものをつなげた。 こうやって色々と苦労すると、独自ドライバーがなくても動く有線のマウス・キーボードは準備しておいたほうがいい なと感じた。

無線LANの速度おそすぎ問題

インターネットに接続したのだが、なんだかファイルのダウンロードが遅かった。 気になったのでfast.comで計測してみると…63Kbps! 90年代のインターネットかな…?

そこでマザーボードに付属していたアンテナをつけてみたり本体の角度を触ったりして再起動していると 10Mbps程度にはなったので一旦よしとした(それでもまだ遅いと思うが…)。

実はこれは電波強度などではなく別の原因だった。その原因については後で書く。

ディスプレイドライバー問題

タスクマネージャーを開くと普通はGPUの欄があるはずなのだが、見当たらない。 なるほど、これはGPUのドライバーを入れないといけないんだなと思ってNVIDIAのサイトからGeForce RTX 3070のドライバーをインストールした。 しかし、インストールしていると 画面が真っ暗になり、元に戻って、また真っ暗になり… を数秒おきに繰り返すようになった。

これは確実に何かがおかしいと思って一旦再起動をかけると、 Windowsが起動しなくなった。 最初のBIOSの画面は出るが、その後Windows OSの起動に移った瞬間 HDMIの信号がなくなった。

もう一度再起動してみても変わらずで、ディスプレイドライバーが異常動作してるっぽいなと思い Googleで「ディスプレイドライバー 画面が映らない」などで検索するとたくさん情報が出てきた。 まずはセーフモードでWindowsを起動してディスプレイドライバーを入れ直したりするといいらしい。

確かにセーフモードで起動すると無事にWindowsのデスクトップ画面までたどり着けた。 そこからデバイスマネージャーで「ディスプレイドライバー」の項目を開くと ⚠️が付いた状態のNVIDIA GeForce RTX 3070があった。やはりディスプレイドライバーが正常ではないらしい。

一度削除したほうがいいと判断してコントロールパネルからNVIDIA Display Driverをアンインストールして再起動。 しかし、またHDMI信号が途切れてしまいWindowsが起動しなくなった…。何度も再起動していると 起動してデスクトップ画面は見えたが、数秒後に急に真っ暗になる という現象も起きた。もう何がどうなっているのかわからない。

困ったなーとGoogle検索を続けていると 電源容量が足りてないから画面がつかないのでは?という書き込みがあり、まさか…!?と思って調べることにした。 NZXT H1は公式でRTX 3070対応を告知しているので、RTX 3070を載せられないことはないはず。Google検索で「NZXT H1 RTX 3070 power supply」と調べると次のRedditの投稿がヒットした。

NZXT H1 power supply enough for rtx 3070 + ryzen 5 3600XT? : NZXT

そこに「PCIE Genを3にする必要があるよ」とのコメントがあった。

You need to change PCIE version to Gen 3 via BIOS. https://www.reddit.com/r/NZXT/comments/k6jbum/nzxt_h1_power_supply_enough_for_rtx_3070_ryzen_5/gel83tf?utm_source=share&utm_medium=web2x&context=3

早速BIOS画面の設定画面を探してみると、PCI_E1 - Max Link Speedという項目でGen3があったので選んでみた。

これを適用して再起動すると無事にディスプレイドライバーは認識され、画面の暗転もなくなった! 少し調べるとGPUの転送規格のPCI ExpressにはGen3, Gen4というふうに世代があり今回買ったマザーボードとRTX 3070のカードは Gen4に対応している。Gen4は転送速度が早いがその分発熱が多いらしくNZXT H1の電源容量では足りなかったと推測できる。

さらに驚くことに インターネットの速度まで劇的に改善した。

なるほど、インターネットが超低速だったのは電源容量が足りてなくてWi-Fiアダプターが異常になっていたからかもしれない。

Logicool Unifying Receiver不安定問題

お次にWindowsとMacで同じマウス・キーボードを共有するために、Logicoolのマウスとキーボードを接続した。

BluetoothよりもLogicool専用のUnifying Receiver接続のほうが安定してそうな印象があったので NZXT H1の底にUnifying Receiverドングルを挿し込んだ。

それでマウスとキーボードのセットアップはできたのだが、頻繁にキーボードの入力が効かなくなる 現象が起きはじめた。前のPCではこんなことはなかったのに。 NZXT H1はマザーボードのリア・パネルが底面にあって下から潜るようにUSBを挿す必要があり、 ドングルのような小さいものはほぼ閉じ込められるような形になる。 だから電波が届きにくいのでは?と推測した。

そこでGoogle検索したところ再びRedditで次の投稿が見つかった。

NZXT H1 Wireless mouse connectivity issues : sffpc

「LogitechのReveiverは底面のUSBケーブルの隣に挿すと接続がひどくなる」というコメントがあった。

Wireless via bluetooth or via a dongle like the Logitech unified receiver? The latter has horrible connection when it’s plugged in next to a USB cable, somehow it scrambles the signal. So either “free the dongle” [huehue] or get a small usb extension cord. https://www.reddit.com/r/sffpc/comments/hysud1/nzxt_h1_wireless_mouse_connectivity_issues/fzen89u?utm_source=share&utm_medium=web2x&context=3

というわけで、底面ではなく上面側のUSBに挿し替えたらキーボードの入力が途切れなくなった!!

やり終えて

NZXT H1。物理的な組み立て部分はかなり楽で、小型のMini-ITXなのにケーブルの干渉とかが起きにくく、事前に配線されている部分も多くスムーズに組めるのは本当にすごいと思った。

しかし、まさかOSインストール後に様々なトラブルが発生するとは思っていなかった。 まともに動くようになるまでに1日を費やしてしまったが最終的には解決したし、色々と勉強になったので これはこれで自作PCの醍醐味ともいえる。

まとめ

脚注

  1. 必要なときだけファンが回転する機能 2