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「ネットゲーム チートRMTの教科書」を読みました

電子書籍はなかったので、Amazon で中古のものを購入 電子書籍はなかったので、Amazon で中古のものを購入

これを読んだ。最初は怪しい情報商材のような帯を見て「うわ~これはダメな本だな」って敬遠してたけど自身がネトゲプログラマーなこともあってやはり読んでおいたほうがいいかな?と思って購入した。

とても面白くて一晩で読んでしまった

タイトルからしてチート・RMTの手法を淡々と説明する教科書的なものだろうかと思いきや、それらしい中身なのは1~2章分ぐらいしかない。

しかし、良い意味で裏切られた。過激で厄介な技術オタクが持論を好き放題展開した本という感じで個人的にはすごい気に入ってしまった。どのような内容だったか、以下にもう少し詳しく書く。

Ragnarok Onlineを中心としたチート/BOT の歴史

R0(アールゼロ)というゲームが文章中では頻出するが、これはちょっと文字を変えているだけで実際は Ragnarok Online (RO)のことである。ROのプレイ経験があるなら用語ですぐにわかるはず。また、ライン2という名前でリネージュ2も登場する。

ROの初期に可能だったチートが具体的な仕組みを交えて詳しく書かれている。対する運営側がとった対策と、その対策をかわす方法を考えるチートユーザーの戦いの記録が読んでいて非常に面白い。

このあたりの情報は 2001年~2005年ぐらいの出来事なのでネットにもあまり資料が残っておらずこうしてまとまった流れで把握できるのは素晴らしいとおもう。

特にネットゲームのサーバープログラマーであれば「あぁ…確かにそうなる…わかるなぁ~」と耳が痛い感じになってしまう(僕もネトゲのサーバープログラマーであり、変なバグをだしてしまい辛かった時期があったので)

ネットゲーム運営に対する熱い批判

印象的だったのは、著者が過去に関わっていたチートによる騒動とネットゲーム運営に対する批判、罵倒の部分。

~~な理由からアイテムを無限増殖できるチートが可能だった。そこで騒ぎを見た運営が~~な対策をとったが、この対策はあまりにもバカだ。簡単に回避できるしもっと頭を使え…といった風の記述が何度も出てくる。

後半の章では「もし俺がネットゲーム運営側だったらこうする」「簡単なことすらわかってない運営が多すぎる」と批判満載である。

「ゲームでウハウハ金儲け」の指南はほぼない

帯に「ゲームでウハウハ金儲け」とあるが、RMTの話は全体からみると少なめ。著者自身が「お金儲けのためではなく技術的な興味でチートをしているので、RMTはやってない」と言ってるので著者の経験談はほとんどなく「こういうやり方でお金儲けをしてる奴らがいる」といった記述のみだった。

予想以上に深いプログラミング技術の解説

前半の章では技術的な専門用語はなるべく出さず、仕組みだけをたとえ話を使って解説しているが、途中の章ではがっつりプログラムのソースコードを含めたチュートリアル?がある。ROで昔流行った kore というBOTプログラムがあるが、kore のソースコードは頭が悪いし大多数が改造しまくってひどい有様になっているので、自分でもっと良いコードを書く…といった内容だった。

独自のBOTプログラムを書くにあたって、アセンブリ言語の解説まで行っていていきなりそこまで解説するのか…と驚いた。

また、特にネットワークのパケットの送受信によってどのような順序でどのような操作を行うとチートが可能になるのか説明があり、同じようなプログラムを組む際には気をつけないといけないなと気持ちが引き締まったきがする。