お気に入りのイラストをNASに溜め込む
萌え絵が好きなので日々萌え絵をインターネットから集めている。 ネットにアップされたイラストはある日突然消されてしまうこともあるので、私はEagle というソフトを使ってPCに溜め込んでいる。 Eagleはドラッグ&ドロップで即保存できるブラウザ拡張機能が大変便利で、保存された画像はすべてPC内のフォルダに入る。 よって、インターネットから消されても手元には残る形だ。
うちのEagleコレクション。エッチなイラストが多いので一応ぼかしている
しかし、もしPCが壊れてしまったらせっかくのコレクションが失われる。 それが怖くてEagleのライブラリを丸ごとクラウド(iCloud)に保存していた。
クラウドに保存していれば安心、最初はそう思っていたがクラウドはクラウドで心配な点もある。
- 無料で使える容量が少ない(容量追加は課金必須)
- クラウド事業主の一存で不適切なコンテンツとみなされ凍結の恐れがある
特に2つ目は厄介だ。私はエッチなイラストをたくさんEagleに溜め込んでおり、海外のクラウドサービスは大抵エッチに厳しいからである。 実際今まで2年ほどiCloudに保存していてアカウントが凍結されたことはないが、いつそういう事態が起きるのかわからないまま過ごすのは怖い。
持続可能なインターネット計画 にも書いたように、ひとつのサービスへの依存は避けたい気持ちも高まっていたため、 大事なデータは自分で所有しようと思い立ってNAS(Network Attached Storage)を買った。 自宅のネットワークにファイル置き場専用のPCを一台加えるようなイメージだ。
NASの機能や性能にはあまりこだわりなく、大手メーカーQNAPの個人向け TS-216G を選んだ。 中にいれるディスクを別途用意しないといけないのだが、ツクモのネットショップにディスクとセット販売があったのでそれを購入した。
セット商品(QNAP + Western Digital) Western Digital WD40EFPX ×2台 + QNAP TS-216G セット|ツクモ公式通販サイト
アカウントを作るとすぐ使えるクラウドと比べるとNASはどうしても最初のセッティングに時間はかかるが、 付属の説明書の通りにするだけで特に難しいことはなかった。箱を開けてから1時間後ぐらいには約4TBの共有フォルダが使える状態になった。 ここにあるデータは自分が所有者で、エッチな画像を保存しても怒られない、素晴らしい!!
早速EagleのライブラリをiCloudからNASに移動してみたのだが、Eagleに並べた画像の表示が遅い!
画像一覧をスクロールしていくと、サムネイル画像すら明らかに数秒遅れて表示される
まぁ考えてみればそうだ。今までは以下のようにPCの速いディスク(SSD)に直接入れていたので距離も近いしディスク自体も速かった。
一方でNASは次のように距離的にも遠く、ディスクも(SSDと比べると)遅いHDDなので当然遅い。
ここで少し考え直してみる。もともとiCloudに保存していたときは次のような感じで、 PCに直接保存しつつ裏で自動的にiCloudにバックアップされる形だった。Eagleが直接見ているのはPC (SSD)だけなので速い。
クラウド依存をやめるのが今回の目的なので、この図のiCloudをNASに置き換えればいい。つまり、PC内のフォルダを裏で自動的にNASにバックアップしてくれる仕組み があれば同じようなEagle体験を保ったまま脱・クラウドができるはずだ。
そこで探して見つかったのが Syncthing という2台以上のPC間で特定のフォルダを同期するソフトだった。 これを使って、メインPC内(SSD)に普通にEagleライブラリを置きながらSyncthingでそのライブラリを(裏で)NASに同期する体制が整った。
Syncthingについては、通常のPC(Windows, Mac, Linux系)であれば公式docs に書いている通りに導入すればよい。 一方で、QNAPのNASはLinuxベースだが独自要素のあるOSみたいで、Syncthingを入れるにはMyQNAPの以下のパッケージを使うとよいらしい。
導入後、http://<NASのアドレス>:8384
にアクセスするとSyncthingの管理画面が出る。
ひとつ引っかかったのは、Syncthingの同期よって作られたファイルは所有ユーザー名が syncthing
になっており、SMBなどで他のPCからファイルを見ようとしても権限がなくて見られないことがあった。これは少々無理やりだが、QNAP NASに直接SSHで入ってSyncthingの起動スクリプト /opt/SyncThing/SyncThing.sh
に書かれているユーザー名をSMB共有のユーザー名と同じに変えて解決した。
ssh nas
# USER=syncthing の行を USER=<SMBのユーザー名> に変更
sudo vim /opt/SyncThing/SyncThing.sh
# 保存後、QNAPのWeb管理画面から Syncthing を Stop -> Start で再起動
これでEagleをクラウド時代と同等に使いつつ、クラウドではなくNASにバックアップする仕組みが完成した! 嬉しくてこの日はエッチなイラストをいつもより多く保存しちゃった。
ここまで書いてて思ったのは、自分でデータを所有・管理できるというのは素晴らしいことだが、同時にどうしても面倒だということ。 SNSを自前で立てたとき とだいたい同じ感想。 なので誰にでも勧められるものではないが、エッチな画像をクラウドに置きたくない方の参考に少しでもなれば幸いだ。
今は対話型のAIがなんでも解説してくれる時代なので、情報は確かにあるんだが英語で何書いているかわからないとか、長過ぎたり複雑な一次情報を要約してほしい場合にはすごく頼りになる。この記事でも英語のdocsにしれっとリンクしているが、実は私も全部AIとかに翻訳させて読んでいる。