ルーヴル美術館へ行った
『ルーヴル美術館』をご存知だろうか。 ルーヴル(ルーブル)美術館はフランス パリにある世界有数の巨大な美術館である。 伝統と格式ある芸術品が世界中から集められているということで、私のTwitterタイムラインでも人気を博していた。 Twitterのフォロワーさんによるとルーブル美術館には『アサシンズプライド』『明日ちゃんのセーラー服』『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』といった作品も展示されているらしく1、実際に足を運んでみたい気持ちがここ数年で高まっていた。
(訪れる前に)p-honeが想像していたルーヴル美術館
そして2023年、長期の休みを獲得したのでいざフランスへ旅立った。 実際にルーヴル美術館に行ってみると……凄い!建物の外観がすでに芸術的でテンションが上った。 ピラミッド型のガラスの下に中央広場があり、そこからいくつかの入口につながる構造となっている。
ルーヴル美術館はめっちゃ広くて一日中かけても全部は回りきれない量の作品がある。 ツアーで申し込んだのでガイドさんによる日本語解説つきで2時間ほど、有名作品をざっと見ていくという形だった。 このコースでは残念ながら『アサシンズプライド』等の展示を見かけることはなくて(あれ〜?100m級の大きさで飾ってあるってフォロワーさんは言ってたのにな、エッフェル塔の1/3の高さなら流石に遠目でも気づくはず…)と思ったりはしたが、それを抜きにしてもルーブル美術館の展示はすごかった。
内装もかっこいい
歴史ある美術館なので、まさに教科書に載っているような芸術作品が展示されている。 そういう作品っていかにもお勉強的というか…、教養がないと楽しめないハードルの高いものという印象を最初は抱いていた。 自分は確かに絵に興味はあるのだが、主な興味範囲は西暦2000年以降のいわゆる「萌え絵」であり、教科書に載っているような古の伝統ある美術ではない。だから歴史的美術を見て果たして楽しめるのか、そういう心配が多少なりともあった。
しかし、実際にガイドさんの解説つきで見ていると美術史をまったく知らない自分でも楽しめた。 いつの時代でも絵描きが絵を描いて誰かが評価するという根本は変わりない。見ている人の心を動かす絵を描くための技術、そして人間ドラマが常にある。
たとえば有名な作品『モナ・リザ』では「三角構図」や「空気遠近法」と呼ばれる技法が使われているとのことだ。 「三角構図」は絵全体に安定感をもたせる働きをする構図で、「空気遠近法」は遠くにあるものを青白っぽく描いて遠近感を強調する技術だ。どちらも現代のお絵描き講座でもよく聞く技法でもある。その解説を聞いて(え〜この時代からそのあたり意識して描いてたんだ!)と驚きがあってよかった。そう言われて他の絵なども見ていると…あ、この構図は〜!と気づけたりして楽しい。
モナリザ様はさすがの人気で人だかりができていた
今の時代こそ絵描きはSNSの反応などに翻弄されているが、昔の時代も絵描きは大変だったようだ。 サロンと呼ばれる展覧会で厳しく評価される。また歴史画が格上で、日常風景などを描いた絵は評価されないといった時代もあったようだ。また高く評価されるには皆が知ってる題材を描くのがいいとされていたからか、たとえばキリスト教の有名人(イエス・キリスト、聖母マリア、洗礼者ヨハネなど)を描いた絵が多くある。アトリビュート(そのキャラが必ず持っている装備や道具)が付与されているので作者が違っても同じ人物だとわかる。まるで現代の二次創作ファンアートである。
また、裸が美しいという考えはやはりあるみたいで服を脱いではだけたセクシーな絵も複数あった。 濡れた衣がお腹に張り付いて透けているのを上手く表現した石像なんかもあって、素直に感心してしまった。 つまり昔の絵描きも「ブルーアーカイブのエッチな絵を描いてバズるぞ!」のような気概で頑張っていたのかもしれない。そう考えると急に親近感が湧いてきた。今も昔も絵描きは絵描きだった。
ルーヴル美術館がとても良かったので、近くにあるオルセー美術館やオランジュリー美術館も訪れた。 ルーヴル美術館とはまた違った時代の絵が多く、(この時代はこういうジャンルの絵が流行ったんだ)といった傾向がわかる。萌え絵に時代ごとの流行があるのと同様に。 そしてついには「ルーヴル美術館にも似たものがあるが、差分はオルセー美術館にあります」といった絵まで登場して(PIXIV FANBOXかよ!)と突っ込んでしまった。絵師本人にパトロンが付くのも昔からあったのか……?などと想像が膨らんだ。
美術館には必ずショップが併設されていて、有名な作品がプリントされたグッズがたくさん売っていた。 たとえばモナリザパッケージのチョコレート!最近今期アニメのグッズとして『お隣の天使様ウェファーチョコ』を探し求める運動が発生したこともあり似たようなものを感じた。美術史に登場するような絵画たちと現代の萌え絵でも通ずるものはたくさんある。良い経験だった。
脚注
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Twitter検索「filter:follows ルーブル美術館」の結果より ↩