数学が苦手
▲大学受験時代に書いたノートの断片
昔からずっと数学が苦手なんだけどなぜそうなったのか考えたことはなかったので 昔のことを思い出しながら考えてみた。
小学生になったとき、自分は同年代でも賢い方だと思っていた。 まだ習ってない漢字を読んで親から「よくそんな言葉知ってるね〜!」て褒められたり、 かるた大会の百人一首を短期間で暗記して周りからすごいね!って言われたりしたのが元だと思う。 言葉の暗記が得意だったのかもしれない。
学校のお勉強も滑り出しは良かった。暗記が得意だと大抵の教科は有利になるからだ。 しかし、小学校2年生のときに事件は起こる。九九がスムーズに覚えられない。 そもそも掛け算という概念がいまいち頭で理解できなかった。なので音で無理やり暗記しようと試みるのだが7の段、8の段あたりから暗記が難しくなってくる。しかし他の教科は余裕でこなしてきたプライドがあって親とか先生に「九九がわかりません」とは言えなかった。最終的に明日までに完全に覚えないとなのに覚えられなくて、怖くなって親の前で泣きながら九九を唱えた。もう相当昔のことなのにあのときの悔しさはすごく覚えている。
そのあたりから「算数は苦手」という意識が完全に自分の中に根付いてしまった。 九九は最終的に覚えられたのだが、その後学年が上がってくると割り算という概念が登場し、まったく理解不能だった。割る?なにがどうなってるの?剰余(割り算の余り)なんてもってのほかだった。
小学校高学年の時期にも悲しいことがあった。百ます計算をクラス全員で解く時間があったのだが、 2桁の割り算がお題になるともう全然頭の処理が追いつかなくてほぼ全員が終わってる中自分は取り残されていた。のろのろとよくわからない割り算をやっている自分が惨めで半泣きになっていた。
一度苦手意識が根付くと厄介で、その後どんな問題になっても「数学=苦手だからどうせできない」という意識が出てしまい考えるのを放棄する癖がついてしまう。そんな調子で中学生になって数学の苦痛は増していく一方だった。 なまじ他の教科は良い成績を維持していたのもあって人に教えて下さいと頼むのはプライドが許さなくて人に頼れなかった。一次方程式を習ったときにどうしても宿題がわからなくて親に教えてもらったことがあるがその時も泣きそうなぐらい悔しかったのを覚えている。
中学2年から塾に通い始めて数学の成績はすこし改善した。塾だと人に頼りたくない!とかワガママ言っても仕方ないし、こっちから頼みこまなくても先生や同級生が細かく構ってくれる。こなす問題の数も増えるためパターン的暗記で乗り切れる問題も増えてくる。これは高校生になっても同じだった。数学的思考ができなくても、こういう問題はとりあえずこうすればよい、とパターンを覚えるとそれなりには解けるようになってくる。
大学受験が迫ってくると精神も少しは成熟してきて「苦手な数学と立ち向かってちゃんとやろう」という気持ちになった。それで(特に浪人生時代は)数学の勉強に一番多くの時間を費やした。 しかし、頑張ってみても、他の教科に比べると伸びないのである。過去にやった問題ほぼそのままなら対処できたが、少しでもひねった問題になると(・・・???)となりどうしようもなかった。 でも、どうしてもプログラマーになりたくて入試に数学が含まれる情報工学科に進みたかったので、やれるだけはやった。これは大学受験の思い出にも書いた。
大学受験が終わってからも悲しいことは続いた。「もう真剣に勉強する機会なんてないわ〜w」と気を抜いていたら 大学の線形代数で単位を落とした。大問の最初で行列の計算ミスをしてしまいそれ以降すべての解答が狂ってひどい点数になってたようだ。 ここから「大学でもちゃんと勉強しよう…」と気持ちを切り替えて頑張ったのだが…やはり数学系の成績は他に比べて悪かった。微分方程式なんてもはや何がどうなってるのかまったく不明で、過去問を手に入れてパターンを完全暗記して乗り切った。
大学卒業が近づいてもう数学が必要な場面はないだろう…とか思ってたら 就職活動の適性検査というのが立ちふさがった。 適性検査には速度や割合や濃度の計算、または組み合わせや確率などがよく出題されるのだが このあたりがとっさに頭の中で組み立てられなくてつらい思いをした。それでも逃げるわけにはいかないので必死に類似問題集をやったのだが、問題文をさっと読んで一瞬で解法が浮かばなかったときの冷や汗感といったら忘れられない。
就職後、さすがに微分積分だとか方程式だとかを解かなければならない機会はなくなったが、 算数的素養があると有利になる場面はしばしばある。プログラミングのアルゴリズムと呼ばれる分野などだ。 プログラミングは好きだけどこのへんの話題になると初歩的な問題でもうーーーーーん…………(わからん…)となってしまい焦る。最近クイックソートが説明できるか、とTwitterで話題になったことがあったが普通にわからない(復習してもすぐ忘れる)。 結局いつになっても数学(算数)からは完全には逃げられなさそうだ。