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コラボカフェ《あこがれVer.》

先日、お絵描き練習会の仲間からのお誘いでアニメ『魔法少女にあこがれて』のコラボカフェに行った。 場所は中野駅から少し離れた場所にあるマチアソビカフェというところで、やたら重い鉄の扉を開けて入ると靴箱と階段が突然現れる。 カフェは上の階らしい。

階段沿いにはアニメ『鬼滅の刃』のパネルが並ぶ。他の作品は見当たらない。 本当にここで合っているのかとやや不安になる。 上がるとカフェの入口があり、「どちらのコラボカフェですか?」と聞かれる。 どうやら『魔法少女にあこがれて』だけではなく『鬼滅の刃』コラボカフェも同時開催らしい。 「……まほあこです。」 その重い言葉は仲間が発してくれた。

整理券を受け取り、開始時間ごろに入場。 入って席につくなり驚かされた。店内にある複数のパネルはすべて鬼滅の刃で、テレビで流れている映像も鬼滅の刃である。 本当にここであってる……よな? そして店内の座席分布は大体こんな感じだ。

まぁ……鬼滅の刃は世間的な知名度も高いのでそうなってもおかしくはないと言い聞かせるものの、せめて一つくらいはパネルとか置いてほしかった。とはいえコラボメニューはちゃんとまほあこのメニューが出てきたし、たいへん美味しかった。

さて、こんな状況で肩身の狭さを感じつつも、店内の””魔法少女にあこがれた約8人""の間に謎の絆が芽生え始める。 一緒に来た仲間1名以外はみんな知らないオタクなんだけど、同じ机から「この前の《あこがれVer.》がさァ……!」などといった会話が聞こえてくるのだ。思わず見ず知らずのオタクの会話に「それなんですよ!」と反応しそうになる。 その後しばらくしてテレビの映像が切り替わる。魔法少女にあこがれてのPV(?)が映った! 「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と声を出した。カフェの端の机だけが不自然に湧き始める。「あこがれVer.の映像来るか!?!?」などとハラハラしながら実況する私たち。 そんな中唐突に挟まる店内アナウンス、「お楽しみ中のところですが…」 「いやマジでお楽しみ中だよ!!」とまた声を上げてしまった。

カフェから出た後、一緒に行ったオタクが話す。「端に追いやられてる感あったけど、その分連帯感があって面白かったですね」。実にそうだ。メニューの写真を撮ってSNSに上げるだけがコラボカフェではない。現実世界で同志たちを観測できる貴重な機会でもある。あのオタクたちと次会うことはないかもしれないが、あの時間・空間では確かな絆があった。

また、これって学生時代の教室みたいだなとも感じた。 クラスの中心となるグループからは離れた教室の隅っこで、いわゆる”オタク”グループが形成されている。 その狭い範囲で「昨日のアニメがさァ…!」と語る。そんな時代を思い出させてくれるコラボカフェだった。

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