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アマチュア絵描きの Mac Studio 購入レビュー

2022年3月に発売されたMac Studioを買った。 前のiMac 5Kから3年以上ぶりのメインPC切り替えとなる。 Mac Studioの汎用的な性能のレビューは他にたくさん記事があるのでここでは書かない。 代わりに、個人的な購入理由とアマチュア絵描きとしてデジタルお絵かきの環境がどうなったかを中心に書く。

なぜMac Studioを選んだか

実は前のiMac 5K (2017)もまだ壊れてはないのだが、次のような理由がありMac Studioを選んだ。

全体的な所感

はじめに全体的な所感を書いてしまうが、Mac Studioはお絵かき用途にはコスパが悪く、いくつか問題があるのであまりおすすめできない。

購入したMac Studioのスペックは以下の通り。

お絵かきに使用している道具は次の通り。

これらの道具は(ほぼ)問題なく動くことは動く。 しかし、Mac Studioの性能が活かしきれなかったり、細かな問題があったりする。

起動後にCintiq Pro 24が認識しない

シャットダウン状態からMac Studioを起動するとType-Cケーブルで接続しているCintiq Pro 24が認識しない。 Type-Cケーブルを一度抜いて挿し直すと直るが、起動するたびにこれが発生するのでは非常にストレスがたまる。 幸いスリープ復帰後は認識してくれるので、Mac Studioはほぼシャットダウンせずにスリープのままにしている。

もしかしたらType-C以外で接続したら直ったりするのかもしれないが、Type-Cで接続したいし、iMac 5Kの頃は起きなかったのでやはり何かがおかしい。 原因がMac Studio固有なのかApple M1チップなのかmacOSなのかWacom側のハードウェア・ソフトウェアなのか…まったくわからないがとにかくこれが一番困ってる。

TABMATEのBluetooth接続が不安定

左手デバイスとしてCLIP STUDIO TABMATEを使っているのだが、TABMATEはしばらく入力がないと電源が自動的に落ちる。 その後再び電源を入れるとMac Studio側のBluetoothペアリングがなぜか外れてしまうことが割とよくある。

次のどれかをやればいつかは直るのだが、起きるたびにこれをやり続けるのはかなり疲れる。これも結構困っている。

CPUが有効活用できない?

Mac StudioはCPUコア数が多くて(特定のワークロードでは)高性能をうたっている。 そこで多数のレイヤーを一括で拡大縮小する処理(iMac 5Kのときに遅いと思っていた処理)をやってみたところ、普通に固まってしまいコア毎の使用率を計測してもフル活用できていないように見えた。


▲複数レイヤーの一括リサイズ処理を撮影した動画

Photoshop等他のソフトではもっと効率よく使ってくれるのかもしれないが、自分はCLIP STUDIO使いなのでわからない。

お値段が高い

Mac Studioは普通に値段が高い。M1 MaxまたはM1 Ultraという高性能CPUしか選択肢がないからだ。 ディスプレイがついてない本体だけで最低でも25万円近くする。

ここまで挙げた問題がある上にCPUもフル活用できないとなると25万円以上出してお絵かき用にMac Studio買う価値があるだろうか? (まぁ買ってしまった人がここにいるんですが)

Mac Studioの良い点、ないの…?

ここまで問題点ばかりを挙げてきたので、最後に良かった点も書いておく。

自分はmac/iOS向け開発はほとんどやらないし、動画編集もしない。 パソコンの利用目的は大抵お絵かきと日常のブラウジングなどだ。 よってMac Studioの性能をフル活用できるようなことをしていないので、メモリ16GBで我慢してMac Miniにしたほうが(コスパ的に)良かったかもしれない。

Bluetoothの不安定さはApple M1チップ全体で報告があるようなのでもうMacやめてWindowsにしたほうがいいよ、ってことなのかも……。 いや〜、もうMacのキーバインドに体が慣れきってしまったんだよね…。つらい…。