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アニメ『かがみの孤城』

アニメ映画『かがみの孤城』を観た。 前に他の映画をみたときに予告映像が流れていて、キャラかわいいな〜程度の認識だったのだが、先日お絵かき練習会で通話しているときに面白かった&可愛かったですよと言われたので休日の朝に突然思い立ってひとりで映画館に向かった。

まずはキャラデザについて。はい!!最高にかわいい!! 予告を見たときから思ってはいたがヒロインのこころちゃんが大変かわいい。


引用元:映画『かがみの孤城』が出来るまで【Chapter2:ヒロイン誕生】
キャラクターが悩みや葛藤に戸惑いながらも成長していくアニメは名作

いわゆる深夜アニメの萌え萌えキャラクターとは違う雰囲気のキャラデザなんだけど、細身で黒髪で、等身大の女子中学生という感じで……も、も、萌えだ。(ガチトーン) いつも私が観ている深夜アニメのようなパンツが見えたりエロを意識させるようなシーンはまったくない。丁寧に、懸命な、繊細な、……女の子が描かれている。 だから普段深夜アニメで出している「萌え萌え萌え!w(大声)」ではなく、静かに染み入るような『…………萌え。」が出てくるそんな作品だった。こころちゃんは不登校の中学生なんだけど、孤城に来るたびに私服が色々変わっていたのもかなり萌えキュンポイントだった。

次にシナリオについて。主役が7人いるのでひとつの映画で7人全員掘り下げるのは厳しさがあるしどうなるのかと思いながら観ていたが、そこまで破綻感なくまとまっていて良かった。何人かの話は後半でダイジェスト的に消化されちゃったが、メインで見せたい部分を絞っていたなら仕方ないとは思う。アキちゃんの正体がわかったシーン(冒頭のスクールで出会うシーンを繰り返す部分)は(あっーーーー!!なるほど!!!)となってアツかったし、リオンくんのお姉ちゃんの話も王道ないい話で良かった。リオンくんと2人きりになった瞬間唐突に豪華なBGMが鳴り始めたときは笑いそうになったけど。まぁ恋愛要素はちょっとした視聴者へのサービスかな…程度にみていた。

振り返ると、この映画の主題って何だろうか?「学校だけが世界のすべてではない」というメッセージではないかと私は考えた(作中でも「だから大丈夫だよ」と似た境遇の学生に語りかけるようなシーンがある)。私の好きなエッセイの一つ『オタクが人気者になれない理由(Why Nerds are Unpopular)』 を思い出させてくれるテーマだ。 学生時代(特に小中学校)は学校が世界のすべてだと思いこんでしまい、学校で迫害されたらもう人生終わりのように考えてしまう。不登校になると見える範囲は実家だけとなり居場所のなさを感じて苦しむのだが、実は同じように不登校の学生は過去にも未来にもたくさんいる。そういう同士たちともし交流ができたらそこが心地の良い居場所になるかもしれない。それが作中の「かがみの孤城」なのかなぁと考えていた。

さすがに過去や未来人の同士たちと会うのは叶わないが、学校・家という狭い範囲から抜け出して外に目を向ける手段が現世にもある。インターネットというやつで。ただの思い出話になるが、中学時代仲のいい友達がMMORPGにハマったのちに不登校になったことがあった。当時は学校の先生や家族などの反応から(学校に戻ってくるように言わないとまずいかな)とか考えたものだが、結局行動は起こさず、オンラインゲーム上で普通にその友達と一緒に冒険をして駄弁っていた。相手がどう思っていたかはわからないが、それで良かったのかも。たとえ未成年でも学校だけが世界のすべてではない。居場所はオンラインゲームの剣と魔法の世界でもいいし、鏡の向こうにある謎の孤城でもいいわけだ。…と今なら思える。