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昔インターネットの片隅で承認欲求を満たしていた思い出

お風呂にはいっているときにふと昔のエピソードを思い出したので、書く。

詳しい時期までは思い出せないが、小学生時代、おそらく2004年ごろ、すでにインターネット中毒になっていた僕は暇さえあればネットサーフィンをしていた。しかし、インターネットというのは「すごいことをしている人」の情報がたくさんみられるので、「自分は弱小な存在だ」と思い知る場所でもある。

そういうわけで、インターネット上で「〇〇さんすごいですね!」と褒められることはまずなかった。現代であればSNSに何かを投稿して「いいね!」をもらえるかもしれないが、2004年はTwitterもInstagramもpixivもなかった。あったのはInfoseekやYahoo!ジオシティーズや自動おもしろFLASHリンク集…。

当時僕が唯一出入りしていたソーシャルな場所は「2ちゃんねる」という匿名掲示板で、そこは褒められるどころか日々「死ね」のような言葉が飛び交う承認欲求どころではない戦場だった(ごく一部のすごい人は「神」と崇められていたが、本当に一部のすごい人だけ)。

そこで、僕は幼いながらも**「承認欲求を満たしに行こう!」**とある日突然思いたった。目をつけたのが「Yahoo! きっず」かなにかのカテゴリ別ホームページディレクトリだった。そう、年下のインターネット初心者相手ならいわゆる「お山の大将」になれると思った。そのリンク集にあるいかにも小学生でネット初心者が運営してそうなサイトを開いた。どうやらそこの管理人はゲームを製作中らしく、掲示板などに進捗状況を書いていた。

そこにはお絵かき掲示板も設置してあって、ゲームの敵キャラになる予定のモンスターが管理人によって描かれていた。そこで閃いた。この管理人よりずっと上手い絵のモンスターを投稿して感謝されたら承認欲求が満たせそうだ、と。そこで僕は当時すでにペンタブレットを所持していたのでササッと悪役風のキャラクターを描いて投稿した。もちろんそんなに絵は上手くない。が、小学生からみたら上手い部類だっただろう(と、自分では勝手に思ってた)。

投稿したあとは1日に数回その掲示板をチラッチラッと覗きに行って「さてさて〜どんな反応がくるかな〜?」とやっていた。次の日ぐらいだったか、返信が来た。詳細は覚えてないけど「**うわぁ〜〜〜〜〜〜!上手すぎる!!!!!!!!ほんとすごい!!」**的な内容だった。狙い通りに事が進んだ。承認欲求は満たされた。その管理人が(お絵かき掲示板はデフォルトで透過はされてないからか?)「そのまま絵から飛び出た男って名前で敵キャラクターとして出します!!!」的な追記してて「こいつ…切り抜き加工もできないのかよw」って一人で笑ってたのも覚えてる。

しかし、その後3日間ほどはそのホームページにいってなんだかウキウキした気分で掲示板を見ていたが、急に「自分…何やってるんだろうな…」という気持ちがでてきて、そのホームページは見なくなった。

結果としてその後そのホームページと管理人がどうなったかはまったく知らないが、自分の中で明確に「承認欲求」について気付かされた1シーンだったなぁと今更振り返って思った。

すぐ見なくなったから、こういうことは虚しいだけ、やめておこう、ではない。承認欲求は誰しも持ってるはずだし、みんな満たされるとハッピーだとおもうので、できるのならどんどん満たしていくべき。現代風に言うならば「もっとイキっていけ!」ということだ。

前に友達と通話したときに「人生、結局イキれる機会が必要なんだよ…」的なことを言われて実にそのとおりだ確かにって思った。相手が何も知らないネット初心者の小学生であっても、褒めてくれるとうれしい!

以上