カードゲームの思い出話
小学生時代、『デュエル・マスターズ』というカードゲームが流行った時期があった。 それより前に流行った遊戯王TCGのときはなんか乗れなかったので、このタイミングで波に乗ろうかと思い私もデュエルマスターズを始めた。親が当時ネットオークションにハマっていたのでそれにかこつけて中古カードの詰め合わせを落札してもらった。
落札した詰め合わせには「超竜バジュラ」というかっこいいドラゴンのレアカードが入っていて、これを中心に火文明のドラゴンデッキを作った。また、カードゲームを始めるまでお小遣いを使うあてがなく貯金していたので、それを溶かして当時の最新弾パックをたくさん買った。 これで学校でも話に乗れるし友達の家でデュエルをよくするようになった。それなりに楽しんでいたがまぁあまり勝てなかった。 カードがあってもどう使うかを上手く考えないと強い(よく勝てる)デッキを作るのは難しいのだろう。
しかし、ある日気づいてしまう。インターネットという道具を自分は使えることに。 インターネットで強いデッキを調べると、(当時は)光・水・闇を組み合わせた文明デッキが支持を得ていてキーとなるのは「アクアン」というカードだった。効果は手札を増やす系。アクアン以外によく使われているカードも大抵自分の手札を増やすか、相手の手札を捨てる効果が多かった。なぜシールドをたくさん割ったりパワーが強いやつではなく、手札を操作するのが強いのか小学生の自分にはわからなかった。でもネットに載ってるならきっと正しいのだろうとアクアン中心のデッキを組む。
当然周りのデュエリスト達も小学生で、当時まだインターネットを使う小学生は珍しかったためアクアンのようなカードが強いという情報は広まっておらず、ただのノーマルカードという扱いで容易に交換してもらえた。最初に強いと信じていた「超竜バジュラ」さえトレードに出して、代わりに光水闇のカードを揃えていった。
いざアクアンデッキで試合をしてみると本当に強くて驚いた。手札がたくさんあって相手の手札がない状態ってこんなに強いんだと。「僕のデッキは強い自信あるよ」と自慢げな後輩と試合する機会があって私のインターネット・デッキで完封したときは一瞬は気持ちよかったが、数分後に虚しさに変わった。凄いのはインターネットの向こうにいる誰かであって自分じゃない。 その上「うわ、またそのデッキかよ…」と嫌な顔をされることもある。これは楽しくない。
インターネット・デッキと別に、自分で考えて作ったデッキもいくつか作ってはいた。ウェーブ・ストライカーという能力を軸にしたデッキだった。 アクアンデッキほど強くはなかったが、自分で買ったパックのカードで、自分の考えで構成されていた。 次第にこちらのデッキを使うようになった。いい勝負ができたなと感じることが増えた。カードゲームはこう楽しむものなのか、と気づいた瞬間だった。
その後はオンラインゲームにハマってしまいカードはやらなくなったのだが。 今振り返ればインターネットとの付き合い方を考える最初のきっかけだったかもしれない。 現代はもうすべてがインターネット前提で動いている気がしており、今カードゲームを遊ぶプレイヤーたちがどうやっているのかは少し気になる。