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アニメ視聴は団体戦

アニメ視聴は団体戦、というフレーズを最近よく使う。 団体というのは、自分と自分以外のアニメの視聴者のことだ。 実際に自分は他視聴者の声がきっかけで見る作品を選ぶことが多く、 視聴後も誰かの感想を読んで気づきを得ることも多い。

ネット上にある感想記事は特にそうで、へぇ…そういう見方があったんだ!と作品がより楽しめる。一方で、皆すごい感想を書いているのに私は……と比較して落ち込むこともあるが、報酬が発生するお仕事でもないんだし気負わなくていい。むしろ自分にはなかった着眼点を今後意識して次の感想に取り込んでやろうという意気ぐらいでいい。また、他の視聴者と意見が合わないこともある。しかしそれでも、相手を潰そうとするのではなくそういう意見もあるのかと学びにする。視聴者は仲間であり、比べたり戦う相手ではない。

では団体戦とはどういうことか?何が「戦」なのか。 戦いの相手は作り手だ。しかし、作り手と直接戦うわけではない。 視聴者はお出しされた作品に好き勝手感想を述べる。原作が、…予算が、…期限が、…そんなことは知らない、出てきた作品のみで評価させていただく。 その代わりにたとえ作り手の態度が悪くとも、制作会社に悪評があっても作品の評価は下げない。 作り手は作品を武器に、我々視聴者は感想を武器に戦う(といっても、明確な勝敗はないが…)。視聴者に一部の意図が伝わらないこともある。そういう時こそ視聴者同士が情報を補完しあえばいい。 良い感想を引き出すために作り手たちは協力し、良い感想を引き出すために視聴者同士も協力する。これが団体戦である所以だ。

よって、作り手側が視聴者に見える場所で「実はここの意図は〇〇で〜」と語り始めたり「視聴者たちは何もわかってない」と愚痴るのは個人的にはルール違反だ。あらゆるお気持ちは作品を通して伝えてほしい。作品をスキップして向こう側に干渉しない。逆方向も同様で、視聴者が作り手側の事情を囃し立てるのもルール違反だと思っている。褒めるにしろ貶すにしろ、作り手ではなく作品を対象にしたい。